母はまだ健在ですが、話を聞くと幼少期の戸籍がないといっていました。このような場合、数年後相続が発生した場合にはどうなりますか?
相続のよくあるご質問札幌 相続トップ>相続のよくあるご質問>母はまだ健在ですが、話を聞くと幼少期の戸籍がないといっていました。このような場合、数年後相続が発生した場合にはどうなりますか?
相続手続きでは、お亡くなりになった方の出生から死亡までの戸籍一式を、金融機関や法務局に求められるので、相続手続きができない(預金解約ができない、登記手続きができない)可能性があります。
対策としては、公正証書遺言を作成することが確実です。
たまき行政書士事務所では、お電話で公正証書遺言のご相談を受けた後、その後、より詳しい説明が必要な場合、遺言を作成したい方のご自宅に無料で訪問相談をしております。
札幌圏はもちろんのこと、道東、道北、道南など北海道内全域に限り、交通費や日当等も無料で訪問相談をしております。
LINEビデオやZOOM、Skypeを利用した無料テレビ電話相談も実施しております。
戸籍一式が揃わないと相続できない可能性がある
相続手続き(銀行、不動産、個人年金型の保険金など)においては、相続人全員の印鑑登録証明書の他に、相続手続に必要な戸籍一式が添付書類として必要とされます。
相続手続に必要な戸籍一式とは、
- ① 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍と法定相続人の現在の戸籍です。
- ② 仮に、代襲相続が発生していた場合には、被代襲者(被相続人より先に死亡していた相続人で、代襲相続人としての子供がいる方)の出生から死亡までの戸籍が必要です。
- ③ いわゆる“兄弟姉妹相続事案”においては、被相続人の父と母の出生から死亡までの戸籍も必要です。
出生から死亡までの戸籍とは、出生時の戸籍から始まり、前の戸籍と次の戸籍を1年の隙間もなく連続させ、死亡時の戸籍まで集めた一連の戸籍のことをいいます。
出生から死亡までの戸籍を隙間なく揃える必要がある理由としては、その方の子供や養子がいるか、いるとしたら子供や養子が何人いるかを調査するためです。
つまり、出生から死亡までの戸籍が揃わないと(一部、戸籍が欠けると)銀行などの金融機関や法務局が相続人の確定(相続人は誰かの確認)ができないので、やむを得ず相続手続きに応じないということが起こります。
相続手続きに必要な戸籍の一部が欠ける場合(出生から死亡までの戸籍が揃わない状況の場合)、公正証書遺言を作成しておくと確実に相続手続きができます
戸籍の一部が欠ける場合でも、生前に予め公正証書遺言を作成しておくと、必ずしも出生から死亡までの戸籍を添付書類として求められないので、安心して相続手続きが行えます。
各銀行のホームページには、公正証書遺言がある場合、出生から死亡までの戸籍の一部が欠けていても手続きするとは、明記はしていません。
しかし、実際には、公正証書遺言があって遺言執行者の記載のある場合には、相続人の確定が手続き上必須ではないので、相続手続きが問題なくできるようになります。
戸籍が揃わない具体的な例
北海道でよくある例を挙げると、
- ① 父又は母が韓国籍であった場合
- ② 幼児期などの時に樺太にいた方
- ③ 函館市の大火(大規模火事)を経験した方
などは、戸籍の一部が欠ける場合があります。
詳細は、後ほど記事の中で説明しますが、簡単にいうと、
- ① 戦争や天災のため、戸籍が無くなってしまった場合
- ② 外国籍の方が、日本に帰化(日本の国籍を取得すること)する前、あるいは、戸籍をそもそも作っていなかったという時
などで戸籍の一部が欠けるという状況が生じます。
① 父又は母が韓国籍であった場合
韓国にも戸籍制度があるので、韓国に戸籍を請求し、戸籍が出生から死亡の一本につながるようであれば(韓国人の方と結婚している時代に戸籍を韓国に移していれば)、相続人の確定について可能となります。
ただし、韓国に戸籍を請求するにも、戸籍の本籍地として具体的な住所の記載が求められるのと、韓国語から日本語への翻訳書の添付も要求されます。
もっとも、実際には、韓国に戸籍の更新を正式にしている例は少ないと思われます。
戦時中の時代背景として、韓国の方が日本にやってきて、その後、在日韓国人として日本人と同様に日本で生活しているときに、日本人女性と出会い、結婚したということがよくありました。
しかし、韓国の国籍の方と結婚すると日本の戸籍から外れるという日本の戸籍の仕組みがあり、日本の戸籍から外れた後、韓国の戸籍に入る届出をすればよいのですが、戦後の混乱の時期なので、戸籍を韓国に移すなど、そこまで正式な手続きをしている方は少なかったというのが実情のようです。
そのため、多くの事例で、例えば、20歳の時に、在日韓国人の方と結婚して、25歳の時に離婚をした場合に、20歳から25歳までの戸籍が日本にも韓国にもないという状況が生じます。
そうなると、生殖能力のある数年間の戸籍が抜けているため、社会通念上、その間に子をもうけているという可能性が生じてしまいます。これを理由に、相続が発生したときに相続人を特定できないという結果になります。
金融機関の預貯金の解約について
不動産登記実務については、司法書士の専権なので、行政書士の立場では、コメントを避けますが、金融機関の預貯金の解約については、「戸籍を基に、相続人の確定ができない以上、預金解約には応じかねます」という回答になると思います。
もっとも、少額であれば、簡易相続の手続きがとれますので、預金解約は可能であるケースが多いです。
簡易相続とは、預金額が例えば50万円以下(金融機関によって額は異なります)の場合に、銀行などの金融機関が解約に応じてトラブルに巻き込まれるリスクが少ないため、簡易的な手続きができるように規定している相続の際の自主的な運用ルールです。
簡易相続の場合、出生から死亡までの繋がりの戸籍は求められません。
対策として
公正証書遺言を作成し、具体的に、どの財産をだれに相続させるかを記載しておけば、出生から死亡までの戸籍が求められないので、確実な対策といえます。
自筆証書遺言については、有効な遺言として利用する前に、家庭裁判所で検認という作業が必要になり、検認には、出生から死亡までの全ての戸籍を揃える必要がありますので、自筆証書遺言は、今回のようなケースでは、不適格といえます。検認の制度については、家庭裁判所のHPに詳細がございます。
2020年7月10に施行(運用開始)となる、自筆証書遺言の保管方法として、法務局に預けるという選択肢が増え、この制度を利用すると検認が不要となりますが、制度自体新しくその後どのようなトラブルが生じるか未知数ですので、現状では、公正証書遺言の制度を利用することが確実であると思います。
法務局に自筆証書遺言を保管できる制度については、法務省のHPに詳しく出ておりますので、よろしければ、こちらをご参照ください。
たまき行政書士事務所では公正証書遺言に関するご相談を無料で行っております
公正証書遺言の長所は、制度がしっかりしていて確実であるということです。しかし、公正証書遺言の短所としては、公証役場という普段行くことのない役場に行く必要があり、添付書類も自分で揃える必要があり、非常に手間がかかるということです。
そのため、役所などに通うことの慣れている方以外では、多くの場合、行政書士や弁護士が公正証書遺言の原案の作成のサポートをして、公正証書遺言を完成させています。
たまき行政書士事務所では、お電話で公正証書遺言のご相談を受けた後、その後、より詳しい説明が必要な場合、遺言を作成したい方のご自宅に無料で訪問相談をしております。
札幌圏はもちろんのこと、道東、道北、道南など北海道内全域に限り、交通費や日当等も無料で訪問相談をしております。
費用についても、証人付き(公正証書遺言は、利害関係のない第三者を2人同行させる必要があります)で、一律料金の13万2千円(税込)で行っております(公証役場の手数料は別途かかりますが、多くの場合、5万円以下で収まります)。
詳しくは、費用についてのページと遺言について書いた記事がありますので、よろしければご参照ください。
当事務所は、札幌市北区にありますが、札幌近郊の方ですと、予定が空いていれば当日にでも訪問相談、事務所での相談が可能です。その他、室蘭市など道南、北見市など道東、留萌市、旭川市など道北の方でも、できるだけ早い日程で調整をして訪問相談いたします。事務所案内については、「地図・アクセス」をご覧ください。
まずはお気軽に、お電話やメール・ラインでお問い合わせください。
② 幼児期などの時に樺太にいた方
樺太(南樺太)については、かつて日本の領有下にあったため、幼少期を樺太で過ごしていたという方が北海道には一定程度いらっしゃいます。
多くの場合、出生から15歳くらいまでの、戸籍が手に入らないという状況が生じています。
反対に、死亡の記載の戸籍がないというケースもあります。
樺太の戸籍の詳細について
樺太には、樺太庁という行政機関もあったため、戸籍も日本本土と同じように管理されていました。
しかし、戦後、サンフランシスコ平和条約で日本が樺太の領有権を放棄した後、日本に戸籍を持ち帰る際に、一部の限られた6村(大泊郡知床村、大泊郡富内村、大泊郡遠淵村、敷香郡内路村、敷香郡散江村、元泊郡元泊村)の戸籍のみ持ち帰ることが出来たのですが、その他の戸籍については、保管自体されていません。保管先は外務省になります(外務省HP参照)。
多くの場合、この6村に当てはまらないため、外務省に戸籍の照会を求めても、
当該6村以外につきましては、これまで当省においてその戸籍簿及び除籍簿を保管したことはなく、当然、その写しを求める手続も設けていません。
引用: 外務省HP “ご案内”の用紙
という“ご案内”が来るのみとなっております
樺太で幼少期を過ごしていた方の相続について
以上、解説した通り、樺太で幼少期を過ごしてきた方については、相続手続きに必要な出生から死亡までの戸籍が揃わないということとなります。
その場合、韓国籍の戸籍がある方と同じように戸籍の一部が欠けているため、銀行など金融機関の相続手続きができない可能性があります。
ただし、樺太の戸籍については、多くの場合、幼少期の戸籍でありますので、例えば、14歳位までの戸籍がないが、その後の戸籍は最後までそろっている場合には、金融機関の上席の決裁で、特例として預金の解約に応じてくれる可能性が高いと思います。
しかし、生前に金融機関に問い合わせても、はっきりとその部分の戸籍は無くても大丈夫ですと回答を得ることはできないと思われます。
対策として
先に述べた韓国籍の方と結婚して戸籍が数年間日本にも韓国にもないというケースと比較して、樺太に住んでいたことのある方は、相続手続きがうまくいく可能性は高いですが、万全を期すのであれば、公正証書遺言を作成した方がよいでしょう。
たまき行政書士事務所では公正証書遺言に関するご相談を無料で行っております
公正証書遺言の長所は、制度がしっかりしていて確実であるということです。しかし、公正証書遺言の短所としては、公証役場という普段行くことのない役場に行く必要があり、添付書類も自分で揃える必要があり、非常に手間がかかるということです。
そのため、役所などに通うことの慣れている方以外では、多くの場合、行政書士や弁護士が公正証書遺言の原案の作成のサポートをして、公正証書遺言を完成させています。
たまき行政書士事務所では、お電話で公正証書遺言のご相談を受けた後、その後、より詳しい説明が必要な場合、遺言を作成したい方のご自宅に無料で訪問相談をしております。
札幌圏はもちろんのこと、道東、道北、道南など北海道内全域に限り、交通費や日当等も無料で訪問相談をしております。
費用についても、証人付き(公正証書遺言は、利害関係のない第三者を2人同行させる必要があります)で、一律料金の13万2千円(税込)で行っております(公証役場の手数料は別途かかりますが、多くの場合、5万円以下で収まります)。
詳しくは、費用についてのページと遺言について書いた記事がありますので、よろしければご参照ください。
当事務所は、札幌市北区にありますが、札幌近郊の方ですと、予定が空いていれば当日にでも訪問相談、事務所での相談が可能です。その他、函館市などの道南、帯広市など道東、旭川市など道北の方でも、できるだけ早い日程で調整をして訪問相談いたします。
もちろん、札幌市北区にある当事務所でも、相談が可能です。
事務所案内については、「地図・アクセス」をご覧ください。
テレビ会議相談も行っております
令和2年3月以降、新型コロナウィルスの影響で、面会でのご相談をしばらく控えたいというお客様もいらっしゃると思います。
対面でのご相談よりもテレビ会議でのご相談を希望される方については、テレビ会議相続相談(オンライン相続相談)が可能です。
テレビ会議相続相談は、出張訪問相続相談と同品質で時間をかけて行っております。
事前にご予約を行っていただければ、初回1時間相続や遺言のご相談を無料でお受けしております。
無料テレビ会議相続相談のあとそのままご依頼をしたいとご希望のお客様については、そのままスムーズにご契約を行うことも可能です。
テレビ会議ですので、インターネット環境が整っていれば、北海道の離島(利尻島など)の方や東京都、神奈川県の方など遠方の方もご相談可能です。
テレビ会議相続相談の方については、北海道以外の遠方の方でも、ご依頼をお受けすることが可能です。
無料訪問相談・無料テレビ電話相談のご予約や、ご質問等はお気軽に
たまき行政書士事務所の無料訪問相談について >>
たまき行政書士事務所の
ごあんないABOUT
相続・遺言専門のたまき行政書士事務所
- 代表 行政書士 田巻裕康
-
[住所]
北海道札幌市北区北32条西5丁目3-28
SAKURA-N32 1F
011-214-0467
070-4308-1398(行政書士直通電話)
電話受付:平日9時~18時 - [交通アクセス]
地下鉄南北線:北34条駅(3番出口)から徒歩1分
相続遺言YouTube教室 随時更新中!
行政書士田巻裕康による相続・遺言に関する解説動画をYouTubeにて公開中。一般のお客様はもちろん、相続実務を行ったことのない行政書士の方もぜひご活用ください。