親の介護をしてきましたが、遺産を多めに相続することはできますか?
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遺産相続の際に、紛争性があるかないかで、対応方法は異なります。
紛争性があり、話し合いがうまくいかない場合には、弁護士の方に相談して慎重に進める方がよいです。必ずしも多めに遺産を相続できるとは限りません。
他方、紛争性が無い場合には、相続人全員の合意があれば、比較的スムーズに、介護をしてきた方が、遺産を多めに相続することができます。
たまき行政書士事務所では、相続や遺言に関する総合的なご相談ができます。
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親の介護により遺産を多めに相続できる法的根拠とは
1. 民法906条(遺産分割の基準)
親の介護というのは、程度によりますが、通常は、多くの時間、労力、精神的負担がかかるものです。
そのため、紛争性のない事案では、相続人全員の話合いにより、いわば当然にその貢献度をねぎらい、遺産を多めに相続するということでほとんどのケースで問題なく解決します。
一言で表現すると総合的な考慮により、介護していた方は遺産を多くもらえるということとなります。
(遺産の分割の基準)
民法
第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
2. 民法904条の二第1項など(寄与分として多めに取得する)
相続人の一人が、親の介護をしてきて貢献をしてきたと思っていても、介護をしてきた方が遺産を多く相続することを、他の相続人の方が認めない場合などは、この寄与分という法律上の制度を使うことが考えられます。
調停の申し立てなど家庭裁判所の制度を使うこととなり、紛争性がある相続事案となりますので、弁護士さんの領域の案件となります。
旧弁護士報酬規定を参考に、弁護士さんの報酬額が決定していくことが多いので、一般的に報酬がある程度高額となる傾向があり、遺産の額によっては、いわゆる“費用倒れ”となることもあります。
そのため、できるだけ寄与分という法的主張をすることなく、解決した方がよいでしょう。
(寄与分)
民法
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3. 民法1050条(特別寄与料)
民法の改正で、令和元年7月1日から施行された制度です。特別寄与料は、寄与分とは異なり、相続人でない方、例えば、義理の娘などが義理の親の介護などをしてきた場合に、その貢献度合いを根拠として相続人にその金銭的対価を請求できるというものです。
具体例を挙げると、長男の妻が長男の親と同居して、仕事をずっと休んで自宅で介護を続けてきたなどいうことが、特別寄与料が発生する典型事例といえます。
ただし、新しい制度であり、どのくらい請求すべきかの判断や、請求の要件など難しい部分もありますので、特別寄与料を請求する場合には、行政書士ではなく、弁護士さんに相談すると良いでしょう。
参考
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。
民法
2 前項の規定による特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から六箇月を経過したとき、又は相続開始の時から一年を経過したときは、この限りでない。
3 前項本文の場合には、家庭裁判所は、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、特別寄与料の額を定める。
(以降略)
遺産相続の際の法定相続分について
遺産相続について調べていると、法定相続分(法定相続割合)という言葉が頻繁に出てきます。
法定相続分とは、簡単に説明すると民法という法律で定められた遺産相続の比率のようなものです。
例えば、夫、妻、子供2人の家族構成で、夫が死亡した場合の相続においては、妻が2分の1、子供が4分の1ずつというのが法定相続分です。
法定相続分というのは、あくまで相続人同士の話し合いで遺産の分配が決まらなかったときの目安であり、必ずしも法定相続分で分けなければいけないというものではありません。
紛争性のない相続の案件では、法定相続分できっちり分けることは稀(まれ)で、ほとんどの場合、自由に相続人の話し合いで遺産の相続割合を決定します。
相談する専門家によって法定相続分の説明が異なることがあります
弁護士さんに相談に行くと、「遺産相続というのは法律上決まっていて、基本的に法定相続分(法定相続割合)で分ける必要があるので、あなたの取り分は4分の1です。」などと説明されることがあります。
これは、弁護士さんに相談に行くのは、相続人同士では話し合いが付かない場合(紛争性があるとき)が多いためです。
相続人の方の間で紛争がある場合には、基本的には、法定相続分を強く考慮する必要があります。
他方、行政書士さん、司法書士さん、税理士さんに相談に行くと、紛争性がすでに生じているわけではない場合がほとんどですので、法定相続分で分ける必要はなく、多くの場合、親の介護などをしてきた方は遺産を多めに相続するということで、解決します。
親の相続についてお困りの方は一度ご相談ください
今回は、親の死亡後の遺産分割を想定して記事を書きましたが、親が死亡前の状況ですと、公正証書遺言を作成するなどして、生前に相続対策を行うことで、親の介護をしてきた子供や、その妻の方に、確実に遺産を相続や遺贈させることができます。
いずれにしても総合的な知識と、実務経験が必要となりますので、ご自身で調べものをすることも重要ですが、相続の専門家に相談するというのがよいでしょう。
たまき行政書士事務所でも、相続や遺言に関する総合的なご相談ができますので、よろしければ、まずは無料相談をご利用ください。
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