相続人が子供のみの場合、遺産をどう分ければ良いですか?
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遺産は必ずしも“法定相続分”で分ける必要はなく、相続人様同士(子供の立場の方同士)で自由に分けることが出来ます。
話し合いが難しい場合には、プラスの相続財産からお亡くなりなった方に関する諸費用を引いた残額を、均等に分けるのがよいと思います。
それでは、相続人が子供のみの場合の遺産分割について相続の専門家が解説します。
相続でお困りの方や、札幌および北海道の相続案件については、たまき行政書士事務所に一度ご相談ください。仮にご依頼となった場合、報酬も抑えられて円満にスムーズに解決できる確率が高くなると思います。
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遺産は相続人同士で自由に分けることができる
お客様の方で意外と誤解している場合があるのですが、遺産は相続人同士の紛争性がない場合には、相続人同士で自由に分け方を当事者同士の話合いで決めることができます。法律で決められた通りに分けなければいけないというのは誤解です。
自由に話し合いで決める事ができる理由を法律上の理屈から読み解いていくと、故人(被相続人)の財産というものは、死亡した瞬間に相続人の共有状態となります。そのため、自身の共有持ち分について相続人が遺産分割の際には、自由に処分をする権限があるため、話し合いにより自由に遺産の取り分を決定できます。
ただし、話合いがつかない場合には、一定の基準により決める必要がありますので、法定相続分(民法900条)という条文の規定を用いて当事者同士の話合いや調停で決めていきます。
よく弁護士事務所に法律相談に行くと、法律で取り分は決まっておりますと早い段階からアナウンスされますが、これは、弁護士さんの所に相談に持ち込まれる案件は、多くの場合、紛争性の案件となりますので、最初からアナウンスされるのではないかと思います。
そのため、繰り返しとなりますが、紛争性のいまだ生じていない相続人関係の相続案件であれば、必ずしも法定相続分通りに分ける必要はありません。
(法定相続分)
民法
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
相続人が故人の子供のみの場合、結果的に均等配分になることが多い
先ほど、‘‘紛争性のいまだ生じていない相続人関係の相続案件であれば、必ずしも法定相続分通りに分ける必要はありません’’と解説しましたが、相続人が故人の子供のみのケースでは、法定相続分(均等)で決まることが実務上は多いのではないかと思います。
確かに、兄弟姉妹は、必然的に双子以外は、年齢順が生じ優劣がつくようにも思います。しかし、親の金銭の相続のときには、年齢順に優劣をつけようとするとうまくいかない事が多いです。
また、
- 長男は高卒と同時に就職していたが、マイホームを建てるとき親から頭金をもらっていた
- 二男は、大卒後、大学院で博士課程まで出ていてお金はかかっていたが、親から卒業後は一切金銭的な援助を受けていなかった
という時には、過去にどちらが多く生前贈与的なものを受けていたがということを遡って主張しあうのもナンセンスともいえます。
そのため、阿吽の呼吸で均等で良いよねとなることが多いかもしれません。
法定相続分の具体例としては、両親が共通の子供のみが相続人の場合、法定相続分は、子供が2人であれば2分の1ずつ、3人であれば3分の1ずつとなります。
ただし、複数人の子供同士が話し合いスムーズな合意が取れるようでしたら、もちろん子供同士で自由に遺産分割割合を決めることができます。兄弟がいて兄が親の介護をしていて弟も当然そのことを理解しているという場合に、7対3で分けるということも自由にできます。
【ケース1】相続人が故人の子供のみ。長男、二男、長女の3名の構成の場合
子供の、親との関係性の強さは、親の介護をしていたかどうかだけでなく、親からの援助の多さによっても異なってきます。
具体的には、
- 長男は大学に進学してお金がかかっていたが、二男は、高校卒業とともに、働いていたので、大学進学のお金がかかっていなかった。
- 長男、二男は、未婚だが、長女は、結婚していて、結婚式の費用を出してもらっていた。
など、過去に遡って見たときに、3名とも親から平等に金銭的な援助をしてもらっていたというケースは、むしろ稀といえます。
また、長男は、親元で家業を継いで親のために時間を注いでいたが、二男は、家業はせずに遠く離れたところで暮らしていたので、親とは一定の距離を置き、自由に暮らしていたという違いがあるケースもよくあります。
意外とこのケースは難しく、上記の事情の場合、長男は、自分の自由を制限し親に対して時間を注いできたから多くもらうべきだと考え、他方、二男は、親に頼らず独立して暮らしていたのだから、長男が多くもらうのはおかしいと考えるため意見が平行線をたどることもあります。
このように過去のことを遡るときりがないため、特に紛争性のない相続人様同士では、死亡日の財産を基準として、そこから諸費用を引き、均等配分するというのがもっとも多い事例と言えるかもしれません。
トラブルになりやすいケース具体例と揉めないようにするための対策
相続人が子供のみのケースでトラブルになりやすいのは、年長者が一方的に声の大きさや兄弟の力関係で押し切ろうとするケースです。
具体的に言うと、兄弟姉妹間や家族のことでもこれまでずっと年長者がイニシアチブを取ってきたケースです。さらに具体例と挙げると親への誕生日プレゼントの中身や家族旅行の行き先など積極的にリードをとってきた方が遺産分割の話合いの場面でも全部自分がイニシアチブをとろうとする場合、トラブル(紛争)に発展しやすくなります。
遺産分割は、これまでの日常の話合いとは全く異なり、立場が対等な相続人となりますので、何かにつけてイニシアチブをとってきた年長者の方は一方的な提案にならないように注意すると揉める要因となりにくいと言えるでしょう。
【ケース2】相続人が子供2人のみ(二人きょうだい)の場合
相続人が子供2人のみの場合の相続について、当事務所は何度も経験をしていますが、2人きょうだい(兄弟、兄妹、姉弟、姉妹)はある意味繊細です。
あくまで私見ではありますが、‘‘二人平等’’にを意識して親も子育てを長年してきておりますし、実際きょうだい2人仲が良いことも多いです。だからこそ、初めて金銭が絡んだ親の相続では、きょうだいで揉めたくないという気持ちが他の事例よりも働くのではないかと予想します。
相続人が子供二人(きょうだい2人)の場合には、特に、決まっていない場合(二人とも分け方にこだわりがない場合)、相続や葬儀にかかった諸費用を引いて後は、均等とするがよいかもしれません。
【まとめ】紛争性のない相続人関係であれば、必ずしも法定相続分通りに分ける必要はない。ただし、事案により法定相続分を利用する
遺産を分ける際に、必ずしも、法律に規定されているいわゆる“法定相続分”で分ける必要はありません。
民法には、確かに、法定相続分という規定がありますが、法定相続分通りに分けなくても、ご家庭のご事情に適した分割方法で全く問題がないです。
もっとも、どのように分けてよいかわからないという場合には、法定相続分を一つの目安として分割の話し合いをするとよいでしょう。
相続でお困りの方や、札幌および北海道の相続案件については、たまき行政書士事務所に一度ご相談ください。仮にご依頼となった場合、報酬も抑えられて円満にスムーズに解決できる確率が高くなると思います。
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【発展編】故人(親)に不動産がある場合の分け方
特に紛争性がなく、相続人様が子供のみのケースで、故人(親)に不動産がある場合、分け方をどうすればよいのか相続人様同士で悩むことがあります。
不動産がある場合も、遺産分割は、相続人様同士の自由に行えます。
例えば、
- ⅰ. 不動産は、別個として、他を法定相続分で均等に分けるか
- ⅱ. 不動産も含めて法定相続分で分けるか
なども自由に相続人様同士で決めることができます。
一般論として、不動産は一人が相続した方がよい
不動産も含めて法定相続分を目安として遺産分割する場合、不動産を共有にするのか、単独所有とするのかが問題となります。
結論としては、不動産については、相続人様お一人の単独所有とする方が良いです。相続の実務では、単に法定相続分通りの共有とするとトラブルや煩雑になる元となりますので、基本的に、不動産については、単独所有の相続登記をするとよいでしょう。
相続の実務を長年行っている当事務所の見解からすると不動産のいわゆる‘‘とりあえず共有’’で解決の先延ばしをしたケースで後に解決不能となっている事例を多くみているため、不動産はとりあえず共有とすることはできるだけ避けた方がよいでしょう。
多くの事例では、一緒に住んでいる、近所に住んでいるなどの事情があれば、その方(子供の一人)が単独で不動産を相続することが一般的です。
相続した新所有者は、不動産の維持や管理をする必要があるからです。
売却をするときも、単独所有者の方が不動産業者の方と単独で契約できますので、スムーズに売却できます。
昔は、専門家の間でも「不動産も共有にしてしまえば平等だから」と、とりあえず共有とすることを安易に勧めることがありました。
しかし、安易に共有にして解決を図ろうとすると売却の必要性が出てきたときに揉める原因となります。また、共有の状態で、共有者の一人が亡くなって相続が発生した時に、一世代年代が違う親族と共有となり、ますます解決を図るのがむずかしくなります。
当事務所では、よほどの事情がない限りは、将来の紛争防止や不動産売却の実務上のことも考えて、単独所有にした方がよいとアドバイスしています。
北海道の不動産が相続財産にある事例での遺産分割
北海道の不動産は、東京23区や横浜市のように、土地の価格が極端に高いことはほぼありません。
札幌市以外の住宅街の一軒家であると、約50坪の土地の評価額は、300万円程度が一般的な値段といったところです。
札幌市の場合、同じ50坪の土地でも1200万円程度にまでなることがありますが、1億円などという極端に高くなることはほぼ皆無といえます。
そのため、たまき行政書士事務所で担当する北海道内のお客様は、不動産を相続する一人を誰にするかで揉めるようなことはほぼありません。
故人(父親)の相続財産が、北海道恵庭市の自宅土地建物、預貯金の構成の場合
- 自宅土地建物(不動産)評価額 450万円
- 預貯金 計900万円
- 相続人構成 子供のみ(長男、二男、長女)
- 長男は、故人(父親)と同居。故人の妻は、故人より先に他界していた。
という状況とします。
不動産を含め均等にする分け方の場合
相続財産 計1350万円
- 長男 自宅土地建物のみ(450万円の評価額のものを取得)
- 二男 預貯金のみ 450万円
- 長女 預貯金のみ 450万円
で遺産分割となります。
不動産は別にして均等にする分け方の場合
相続財産 計1350万円
- 長男 自宅土地建物(450万円の評価額のものを取得)+預貯金300万円
- 二男 預貯金のみ 300万円
- 長女 預貯金のみ 300万円
で遺産分割となります。
不動産の評価額はどれを採ればよいか
不動産の評価額にはいろいろあります。代表例でいうと、固定資産税評価額や路線価や公示価格、実勢価格(不動産屋さんの仲介査定予想で出てくる数字)です。
どれを採用するかについては、明確な決まりがないというのが結論となります。そのため、どの価格を採用すべきと士業者も断定しないことが多いです。
(紛争性のない)相続の実務としては、固定資産税価格や路線価を利用することが多いです。不動産は、あくまで一点ものなので、ピンポイントで金額がでるものでもありません。どの価格を採用するかについても当事者の話合いとなります。
ちなみに、当事務所では事案により多少ことなりますが、固定資産税評価額または路線価によって金額を出しております。
遺産の分け方について相談したい場合には、無料相談をご利用ください
今回は、相続人が子供のみの場合の分け方の参考となるような記事を書きましたが、相続の実務ではご家庭ごとにもっと複雑な事情を抱えている方が多いです。
身内の相続手続きは、滅多に経験することのないものですので、どのように進めてよいのかわからない場合には、一度相続に詳しい専門家に相談してみると良いでしょう。
たまき行政書士事務所では、初回無料訪問相談を行っております。もちろん事務所でのご相談も可能です。
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