認知症になる前の対策としては何がありますか?
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どのような対策(身の回りの世話の対策、相続税対策、相続人対策)を主に考えているのかにもよりますが、委任契約及び任意後見契約(移行型)、民事信託(家族信託)、生命保険による相続税対策、遺言作成があります。
ご相談者様の個別の事情によってご提案内容は異なりますので、個別ご相談を専門家にすることをお勧めします。
委任契約及び任意後見契約(移行型)について
委任契約及び任意後見契約(移行型)というのは、端的に説明すると認知症にかかる前の頭のしっかりしたうちに、信頼のおける一人と、自分の身の回りの世話や財産の管理をお願いする契約を交わすことです。
具体的には、認知症になる前にご自身の身の回りの世話を任せるⅰ委任契約と、将来認知症になったときには、(正確には、家庭裁判所への任意後見監督人の申請がいりますが、)そのまま同一人に任意後見人となってもらうという契約(ⅱ任意後見契約)を合わせたものです。
自分より若い世代の身近な方、その多くは、子供の一人に契約の相手方になってもらう運用が一般的となっております。
事例としては、このような事例が考えられます。
現在80歳の母は、足腰が悪くなり、今後、頻繁に外出することが困難になると不安になっている。
北海道の冬は雪が積もり、高齢の母は、車の運転ができず歩いて移動することも困難なので、だれかに身の回りの世話をお願いしたいが、銀行などは個人情報の保護やマネーロンダリング対策で、家族でもお金を引き出させてくれないことが度々ある。
そうなると銀行に年金を引き出しに行ったり、住民票を取ったりするのができなくなるのではないかと不安になっている。
信頼できるのは、近くに住んでくれている長女なので、長女に身の回りの世話をすべて任せたい。また、母は足腰だけでなく判断能力も衰え、強度の認知症になったときにもやはり長女に身の回りの世話や、財産管理、介護施設への入所手続きをお願いしたい。
このような事例の場合には、委任契約及び任意後見契約(移行型)が適切であると考えられます。
委任契約及び任意後見契約(移行型)のメリットは、法的に安定している(実務でよく利用されている)、身の回りのほぼすべての世話を信頼のおける家族(又は、親戚や、知人)に任せることができ、認知症になった後もその信頼のおける方にお願いできるという点です。
法定の後見制度(成年後見制度)、と異なるのは、自分が指定した信頼のおける方を任意後見人とできる点です。
法定の成年後見制度は、最終的に後見人となる方を決める権限は、家庭裁判所にあります。
民事信託(家族信託)について
民事信託とは、最近書店等でよく見かける言葉です。また、一部の司法書士事務所さんでは、積極的に民事信託を推奨し、セミナーなどを開催しています。
民事信託の内容を説明するのは非常に難しいのですが、端的に説明すると委任契約及び任意後見契約(移行型)や遺言で実現できないものを信託契約で行うというものです。
例えば、先祖代々の土地を長男へ引き継ぎ、その後は、長男の長男(孫)に引き継がせたいという事例や、複数の不動産オーナーをしている資産家の方が、運用管理を長男に任せたい、自分が認知症になったときにも長男に任せたいといったときに民事信託が有効といわれることがあります。
家族信託という言葉もよく聞かれますが、これは民事信託の一種(名前をわかりやすくするために、一般社団法人家族信託普及協会が家族信託という名前を登録している)です。
北海道の一般家庭では、委任契約及び任意後見契約(移行型)と民事信託のどちらが適切か(私見)
一概には言えませんが、私見では、ほとんどの事例で、委任契約及び任意後見契約(移行型)で足ります。そのため、認知症対策については、委任契約及び任意後見契約(移行型)をお勧めします。
民事信託契約は、将来の相続関係を複雑化し、とても家族だけでその信託契約を実行することは難しいと思われますので、司法書士などの専門家の監督人を付けることが多くなります。
そうなると、専門家に支払う費用や信託登記の費用がかかります。また、一般的に家族信託契約は、専門家に支払う報酬の総額が多額(60万円~100万円位)になることがよくあります。
相続関係を複雑にし、専門家に支払う報酬を多くしてまでしなければいけないケースは北海道の相続事例では少ないといえます。
生命保険による相続税対策
直接的な認知症対策とはいえませんが、生命保険の制度を利用した将来の相続税対策は、認知症になる前にすることが効果的といえます。
生命保険は、受取人を指定しておくことで、
- ⅰ. 被保険者が死亡したときにすぐに受取人(相続人)が遺産分割協議をすることなく保険金を受け取ること
- ⅱ. 生命保険の控除(500万円×相続人の数)を受けること
ができ、相続税対策になることがあります。
遺言による相続手続対策
直接的な認知症対策とはいえませんが、遺言を書くことによって将来、相続が発生した際にスムーズに財産の移転ができるというメリットがあります。
遺言は、基準は、はっきりとしたものはないのですが、会話のキャッチボールができない程度の強度の認知症あるいは、重度のご病気になった後は、公正証書遺言を作成できないことがあります。
そのため、認知症になる前に、遺言を作成し、将来、家族が遺産分割で揉めないように相続対策をするということが有効です。
遺言は主に、公正証書遺言と自筆証書遺言があります。違いについては、記事を書いておりますので、「公正証書遺言と自筆証書遺言どちらを作成した方がよいですか?」をよろしければご参照ください。
認知症対策、相続や遺言全般の相談について訪問相談をしております
たまき行政書士事務所では、相続や遺言を専門としておりますので、多くの相続事例を経験しております。認知症対策としての、委任契約及び任意後見契約(移行型)についての、ご相談や契約書の作成についても多く行っております。
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