日本テレビ系列ドラマ‘‘相続探偵’’第6話「笑福湯の生前相続」を相続実務家の観点から解説します
相続・遺言コラム相続探偵とは

日本テレビ系列によるテレビドラマで、令和7年1月から放送されております。クセが強いが頭が切れる元弁護士が相続専門の探偵として、相続にまつわる様々な事件を解決するというお話(相続ミステリー)です。
今回の第6話は、先祖代々引き継いできた銭湯(笑福湯)の店主の生前の相続に関するお話でした。
相続探偵6話、笑福湯の生前相続
相続探偵第6話は、先祖代々引き継いできた銭湯を後世まで残したいと考えている4代目店主の生前の相続相談でした。店主は、個人で銭湯の土地建物、その他近隣駐車場の土地を所有していて、一人会社である株式会社の社長も店主で実質的に銭湯の経営はすべて一人で行っている状況で、銭湯を手伝っているのは美術大学に通う孫娘のみでした。
そして、銭湯を引き継いでいきたい気持ちを聞いた相続探偵が知恵を絞り銭湯を残す方法を考える途中で詐欺に遭いそうになったという展開でした。
孫娘に銭湯を継がせたい場合のドラマ内での対策
相続探偵は、会社の代表取締役を孫娘にし、資産として保有している駐車場を売却し、売却資金を相続税の納税対策資金とし、さらに同時進行で遺言を作成して、店主の死後の財産(遺産)をすべて孫娘に(生前の相続対策として)遺贈させるというものでした。
そして、そのプランを聞いた一人娘夫婦は当然反対をするも、自分が財産を得られなくなるからということではなく、実は孫娘のことを本当に心配してとのことでした。
一人娘が生きている場合、孫娘に相続させる遺言を書くのは、遺贈すると遺言の中では表現します。そのため、本来、タイトルも笑福湯の遺贈とした方が良いのかもしれませんが、相続探偵では、一般の方がイメージしやすいように笑福湯の生前相続と表現しているのであろうと思います。
お客様を装った詐欺師
今回の相続探偵第6話では、飯山というさわやか青年が、半年前から笑福湯に通い店主に親近感を持たせ、実は笑福湯の店主の不動産を安値で買取り即高値で転売するのを得意とする詐欺師でした。
ネットフリックスの人気ドラマ‘‘地面師たち’’をイメージさせるものでした。
ネットフリックスHP
飯山は、ヒ素が土壌から検出されたとして、土地は高くは売れないというストーリーを作り、自社で買いますと提案しておりました。さらに、信用させるため大手不動産会社(自社)を装っていましたが、実は、その大手不動産会社にも所属していませんでした。
今回の相続探偵第6話のような詐欺事件が実際にあるのかというと、結構あるのではないかと思いました。
‘‘地面師たち’’のドラマも実話をモチーフとしておりますし、不動産に絡む詐欺事件は多くあります。
相続分野でいうと、生前整理のための不動産売却の際、相続したとの空き家売却の際に何らかの理由を付けて安値で買い取るということが生じます。
大事なのは信用できる不動産業者かというものです。信用できるというのは、会社が大きいかということではなく、担当者が行っていること言葉が本当に一人の人間として信用できるかどうかというのを重視した方が良いかもしれません。
相続探偵第6話では、人を見る目のある孫娘がなんか苦手と詐欺師の飯山に対して感じておりましたが、結構そのような直感は当たるものです。
孫娘への遺贈と一旦クッションとして娘への相続のどちらが良いか
孫娘への遺贈は、相続税の観点からは、娘への相続よりも割高になります。孫娘は法定相続人ではないため、相続税の支払い額が、2割増しになります。
国税庁HP
そのため、笑福湯を継ぐ孫娘ではなく、一人娘に一旦相続させるという方法も考えられます。
ただし、事業の継承は、相続税だけの観点で決めるものはありません。
強い経営をするには、経営者自身の資本(現金や不動産)が必要なので、相続税を多少多く支払うことになっても、笑福湯の経営者である孫娘に(一人娘を飛ばして)直接遺贈するというのは非常に良いアイディアではないかと思いました。
ただし、今回は事案をシンプルにするため、娘も一人、妻なし、孫娘も一人、不動産はすべて値が付くものというドラマの設定でしたが実際には、もっと人物構成や財産構成が複雑なことが多いため、事案によりけりなので、どのような事業承継が良いのかは個別の事案といえます。
そのため、同じように事業継承を考えている個人事業主の方、一人会社経営者の方は、一人で悩まずに専門家に相談するのがよいでしょう。
札幌市の方(札幌近郊の方)であれば、相続遺言専門のたまき行政書士事務所に一度お気軽にご相談ください。相談料は無料です。
併設しているさくはな不動産にて不動産の売却相談(生前整理のための売却、相続物件売却、空き家売却)も可能です。
世代間のリスクの考え方の違い
Z世代という言葉が近年よく登場しますが、世代間の考え方のギャップは最近顕著に現れてきております。
例えば、大企業や安定した会社勤めで定年を迎えられそうな方(世代としては、現在70代~50代)は、会社に勤め、給与所得者になることこそ安定した失敗のない選択だと強く思っている方が多いと感じます。
* 相続探偵でいうと一人娘夫婦の考え。
しかし、それより若い世代(20代~40代)は、失敗することもあるが、会社に勤めていても会社がなくなることもある、そう考えると多少の失敗はするかもしれないが自分で会社を経営してみたい、(自分の能力を信じて)チャレンジしてみたいと考える方が多くなってきています。
* 相続探偵第6話でいうと、孫娘の考え。
どちらが絶対に正しいということはないですが、今回は、相続探偵第4,5話の(伝統の看板を残していきたいという考えは同じだが)兄弟間の経営の考え方の違いに続き、(孫娘の幸せを願うのは同じだが)世代間の幸せに対する考え方の違いが出ており、大変考えさせられるドラマでした。
来週の相続探偵第7話についても、相続実務家の観点から解説したいと思います。
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