私道とは何か。【相続に関する分野を中心に解説】
相続・遺言コラム私道(しどう)とは
私道(しどう)とは公道(こうどう)とは反対の意味合いがあります。公道とは、まさに公(おおやけ)の機関による所有・管理が行われている道路です。具体的には、札幌市内の公道であれば、ほとんどの公道の所有者は札幌市となります。まれに、財務省が所有者の場合もありますが、これも公道の一種です。
札幌市の公道となっている場合には、基本的に道路幅が十分にあり(幅4メートル以上)、町内会によって濃淡はありますが、除雪や道路工事も入りますので生活する上で安心です。
土地付き中古住宅、新築住宅を建てる際の場所としては、絶対的に公道に面している方が良いでしょう。
他方、私道とは、道路または道路らしき土地の所有者が、公の機関ではなく、一般の個人や法人(一企業)である状態の土地のことをいいます。
私道は、アスファルトのメンテナンスや障害物の除去、掃除、除雪、固定資産税の支払い(固定資産税が発生しない私道もあり)を私道の所有者が負担する必要があるため、不動産の広告(いわゆるマイソクやポータルサイトの情報)には、私道負担のあるなしが明記されていることがよくあります。
前方道路が私道であると、費用負担のほかにも、隣接する私道所有者同士のトラブルなどが起こりやすいため、前方道路が私道の土地は価値がかなり低くなる傾向にあります。
参考
相続における私道の問題とは
さて、当事務所は、相続専門の事務所であるため、今回のコラムでは、相続における私道の注意点を解説したいと思います。
北海道では、ほとんどの場合、自宅の土地と建物の所有者が一致しています。例えば、通常は、土地建物の所有者Aさんが死亡して権利関係を調べると8割位は、建物一棟、土地一筆の同一名義の構成となっております。
しかし、道路が少し狭い古くからある住宅街の場合、図① 四角い土地の前に道路と並行に細長い棒状の私道(地目は宅地になっていることもあり)や図② 三角の形をした私道があることがあります。
その棒状や三角の形状の土地は、自由に使うことができず、道路のために使われていることがほとんどです。
道路のために使われている土地なので、固定資産税がその土地の部分だけかかっていないこともあります。
専門用語では、棒状の土地を図① セットバック私道といい、角地の角部分に建築制限がかかっているような三角地帯を図② 隅切り私道(すみきりしどう)という場合があります。
また、図③ 前方道路が全面私道の場合もあります。
相続で特に注意すべきは、図①のセットバック私道と図③の前方道路が全面私道のケースとなります。
図②が特に問題とならないのは、四角い土地の隅っこの三角地帯が建築基準法上問題となるのではありますが、登記簿上は、1つの土地なので相続手続きの漏れの可能性が低いからです。
相続手続き(相続登記)の際にもれやすいセットバック私道と前方道路全面私道
相続で不動産の手続きの際に気を付けなければいけないことは、被相続人の財産について、手続き漏れが生じてしまうことです。
そのため、調査の段階で、私どものような相続専門の事務所はあらゆる手段で漏れをなくすように調査しています。
私道についていえば、不動産を管轄する自治体の納税課等へ固定資産評価証明書という証明書の他に、名寄帳(別名、固定資産税台帳)というものを取得します。
その際、「私道や非課税物件、共有などありましたらすべて出してください」と一言添えて証明書を請求します。
また、公図という図面から不動産登記簿を取得する際に、名寄帳や固定資産税評価証明書のみを信用するのではなく周辺の土地の登記簿を広く取り寄せます。
そうすることで私道部分の手続き漏れをなくすことができます。
まとめ
今回は、私道について解説しましたが、私道以外にも相続手続きでは注意すべきことが多いので、ご不安な点がありましたら相続専門の当事務所のような事務所に相談することがおすすめです。
特に、北海道内の方でしたら、北海道全域の相続手続きを行っている札幌相続のたまき行政書士事務所にぜひご相談ください。
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