【証明書の手数料の納付方法について】
郵便定額小為替?切手?現金書留?窓口振込?本人開示・申告手続利用料?相続手続きのシーン別に解説します
相続・遺言コラム
キャッシュレス化が進む役所窓口の対応に対し、郵送での時は今まで通り
相続関連の手続きをする際に、役所に行くことが多いですが、一部の役所では、現金の他に、iD、クレジットカード支払いなどの電子決済が採用されてきております。
他方、郵送で戸籍等を請求する際には、まだまだキャッシュレス化が進んでおらず、郵便定額小為替を用いた手数料納付方法が主流です。
現金を普通郵便やレターパックで送ることができないルールがありますので、役所等に手数料を納める際には、郵便定額小為替というものが一般に採用されております。
郵便定額小為替
郵便定額小為替とは、ゆうちょ銀行で発行している金券で、購入者は発券時に額面の金額と、1枚につき200円の発行手数料を負担して、郵便定額小為替を受け取った側は、額面通りの現金をゆうちょ銀行窓口で受け取ることができます。
郵便定額小為替の正式名称は、定額小為替証書といいますが、一般的には郵便定額小為替という名称で呼ばれていて、役所のHPにもそのように記載されておりますので、以下も、郵便定額小為替と記載します。
郵便定額小為替を利用した時のお金の流れ
お客様がゆうちょ銀行で郵便定額小為替を購入(1枚につき200円の発行手数料がかかる)⇒戸籍請求の際などに、役所に郵便定額小為替を送付⇒役所は、受け取った郵便定額小為替をまとめてゆうちょ銀行で換金し、手数料として回収する。という流れです。
郵便定額小為替での送金方法は昔からある方法で、役所への手数料を納める時の他に、例えば、信用情報開示請求などで、民間の株式会社に手数料などを支払うときに利用することもあります。
参考
切手
今より何十年も前は、送金方法の一部として切手が使われることもありました。しかし、切手は、メールやインターネットの普及で利用頻度が低くなりましたので、現在では、切手で支払い可能としている役所や会社はほぼありません。
ただし、郵便定額小為替にお釣りが出たときには、役所は切手で返金の対応をすることがあります。その点では、切手は金券のような役割を果たしているともいえます。
ただし、切手は郵便定額小為替とは異なり、郵便局で換金できないため、質店やチケットショップで換金するしかなく、換金性が悪いのが欠点です。そのため、郵便定額小為替のお釣りを切手で返金する役所であっても、戸籍等の発行手数料に切手を用いることは認めておりません。
現金書留
一部の役所では、現金書留での手数料の送金を認めているところもあります(北海道内では、苫小牧市、小樽市、礼文町、函館市、北見市、美幌町、岩見沢市など)。現金書留は、現金封筒(21円)を郵便局で購入したり、通常よりも高い手数料(480円を加算)を納めたりする必要がありますので、実際には、あまり利用されておりません。また、相続に必要な戸籍の請求では、お釣りが出る可能性があるので、あまり適してはいないといえます。
ちなみに、札幌市では、郵便定額小為替での郵送請求方法を定めており、現金書留での現金の送金は認めておりません。
振込(銀行など)
遠方にしか支店窓口がない信用金庫や地方銀行の場合、郵送で残高証明書の発行請求をすることがあります。その際の手数料の支払い方法は、ほぼすべて、その銀行の「種別 その他(別段預金)口座番号9999999」への振込となっております。
具体的には、例えば、被相続人の方が、北見信用金庫の本店に口座をお持ちで、北見信用金庫の本店に残高証明書の発行請求をする場合には、「北見信用金庫 本店 その他(別段預金)口座番号9999999」に手数料を振り込みます。
※ 一部の銀行を除き、銀行へ手数料を支払う際の振込先は、基本的に「銀行名+支店名+その他(別段預金)口座番号が9999999」となっております。
但し、その他(別段預金)というのは、ATMやネットバンクでは振込ができない特殊な種別なので、銀行の窓口で振り込む必要があり、手数料が660円前後かかることが多いです。
先ほど具体例で挙げた北見信用金庫に、北海道銀行から振り込むときには、残高証明書発行手数料660円(北見信金の手数料)+窓口他行振込手数料660円(北海道銀行の他行宛て窓口振込手数料)=1320円かかります。
本人開示・申告手続利用料(CICなどの信用情報機関向け)
最近新しく出てきた手数料の支払い方法としては、コンビニの端末を利用して、本人開示・申告手続利用料という形で紙の券を受け取り、郵送物に同封するというやり方があります。
これは、郵便定額小為替のデメリットをカバーした制度で、当事務所としては、このコンビニを利用した手数料納付システムはどんどん増えていくのではないかと予想しております。1枚当たりの発行手数料は、利用手数料の額にもよりますが、セブンイレブンの場合150円程度です。
郵便定額小為替のデメリットは、1枚当たりの発行手数料が高すぎるという点です(1枚当たりの発行手数料は10円⇒100円⇒200円とどんどん値上がりしており、今後も物価高などを理由にまだ上がると予想されます)。
また、ゆうちょ銀行は、9時~16時と空いている時間が限られますが、コンビニであれば、深夜であっても手数料券を購入することができます。
郵便定額小為替を利用した時と、本人開示・申告手続利用料を利用した時のお客様の費用負担の比較(信用情報機関CICへ請求の場合)
郵便定額小為替の場合
1500円分の郵便定額小為替を送付する。
→ 郵便定額小為替1000円+500円+郵便定額小為替発行手数料200円×2枚分=1900円(お客様負担額)
本人開示・申告手続利用料の場合
1650円の本人開示・申告手続利用料をセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどで支払う。
→ 1500円+発行手数料150円=1650円(お客様負担額)
このように、本人開示・申告手続利用料方式で支払う方が、郵便定額小為替を利用した時に比べて250円安くなります。
まとめ
今回は、相続手続きの際に役所や金融機関、信用情報機関へ郵送で書類請求する際の手数料の支払い方法という、マニアックな内容について記事を書きましたが、実際、郵送で役所や銀行、各種株式会社とやり取りする際には、手数料の送金方法でつまずくことがありますので、解説させていただきました。少しでもお役に立てれば幸いです。
相続全般でお困りの際には、専門家に任せてしまうという方法もありますので、調べてもよくわからないという場合、相続手続き専門の事務所にお問合せいただくとよいでしょう。
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