相続手続きの際、札幌市にある戸籍を取り寄せる方法について(実践編)
相続・遺言コラム相続手続きの際には最初に相続関係がわかる戸籍一式が必要
相続手続きの際には、不動産の相続手続きも銀行の相続手続きも、法定相続情報一覧図の作成も、いずれにおいても相続関係がわかる戸籍の一式が必要となります。そのなかで、本籍が札幌市内にある場合には、札幌市の戸籍を発行している機関(区役所、大通証明サービスコーナー、札幌市証明郵送センター等)に戸籍請求をすることになります。
今回のコラムでは、札幌市に限定した素早く戸籍を集める方法についてどこよりも詳しく解説し、さらに、利便性の総合評価を3段階(◎、〇、△)に区分して独自に採点していきたいと思います。
《区役所に直接出向いて戸籍を請求する》評価〇
一番わかりやすい方法は、区役所に行って区役所にある用紙で戸籍を請求する方法です。
区役所で請求することのメリットは、
- ⅰ. 請求用紙が備え付けられている
- ⅱ. 請求用紙の書き方がわからないときは、係の方に直接聞くことができる
- ⅲ. 札幌市全区(北区、南区、中央区、西区、東区、豊平区、清田区、手稲区、白石区、厚別区)の戸籍を取得することができる
ということです。
ⅲについては、例えば、札幌市北区役所で、札幌市東区が本籍の戸籍を請求しても発行してくれます。
他方、区役所で請求することのデメリットは、マイナンバー業務の影響で、いつ何時でも混んでいるということです。戸籍を一つ請求するのに1時間待ちということもあります。
※ 混んでいて人が流れないため、どの区役所の駐車場も満車になっていることが日常となっております。
ただし、予め1時間以上待つことを覚悟して、待ち時間にすること(読書等)を決めて行けば苦ではないかもしれません。
評価を〇とした理由は、待ち時間が長いものの、それ以外については便利でわかりやすいからです。
《札幌市証明郵送センターに郵送で戸籍を請求する》評価△
グーグルやヤフー等で「札幌市 戸籍 郵送請求」と検索すると、札幌市証明郵送センターの「郵送による戸籍証明書の請求方法」の案内が出てきます。多くの政令指定都市では、戸籍の発送のセンター化を早くから進めており、大変便利になっております。北海道ではありませんが、神奈川県の政令指定都市の横浜市では、何年も前から全区の戸籍を横浜市郵送請求事務センターで一括処理し、素早い対応ができております。当事務所としても、自治体の戸籍発送業務をセンター化していただけることはよいことと考えておりました。
しかし、札幌市証明郵送センターは、令和4年9月にセンター化してすでに1年以上経過しますが、センター化したことのメリットがほとんどないというのが現状です。
メリットを一つだけ挙げると、札幌市全区(北区、南区、中央区、西区、東区、豊平区、清田区、手稲区、白石区、厚別区)の戸籍を請求できるということです。
従来は、郵送請求の場合は区役所の窓口発行のルールとは異なり、札幌市北区が本籍の戸籍であれば、札幌市北区役所にしか請求できず、他の区の戸籍は発行していただけませんでした。
しかし、札幌市証明郵送センターができてからは、札幌市全区(北区、南区、中央区、西区、東区、豊平区、清田区、手稲区、白石区、厚別区)の戸籍請求が一気にできるようになりました。
デメリットとしては、
- ⅰ. 普通郵便で請求すると、ポスト投函から戸籍が自宅に届くまで2週間位かかり、事務処理が非常に遅い(区役所に郵送請求していた時は、ポスト投函から1週間もあれば、自宅の郵便受けに戸籍が届いておりました。)
- ⅱ. 戸籍の発行手数料の納付は定額小為替証書(通称「郵便定額小為替」)でのみ対応なので、郵送請求をする前に、ゆうちょ銀行に行って定額小為替証書を買う手間が増える
- ⅲ. 定額小為替証書は、1枚発行するのに200円がかかるので、例えば、450円の現在戸籍と750円の除籍を取得する際には、郵送費に加え、200円×2=400円の追加出費になる
- ⅳ. 請求用紙は、ホームぺージからプリントアウトする必要があるため、プリンターがないご家庭では請求用紙の取得が難しい
- ⅴ. 電話相談は、戸籍発行を実際に行う札幌市職員の方ではなく、コールセンターの方が間に入るため、難しい話が通じない。また、コールセンターの電話がなかなか繋がらない。
ということが挙げられます。
補足:普通郵便扱いと速達扱いを区別して取り扱っている
札幌市証明郵送センターでは、普通郵便で届いた戸籍請求と速達で届いた戸籍請求を区別し、普通郵便の方は速達で届いたものよりも処理の優先順位を下げているので、普通郵便での請求は、札幌市証明郵送センターに到達してからの事務処理が遅くなります。
また、日本郵便では本来、レターパックライトは速達扱いの郵便なのですが、札幌市証明郵送センターにレターパックライトで戸籍請求を送ると、普通郵便扱いで処理されます(電話で問合せたところそのような回答がありました)。しかし、なぜか、レターパックプラスの場合には、速達扱いとして処理されます。
郵便局の土日配達が廃止されたので、普通郵便は届くのが遅くなっている(木曜日に送ると月曜日に届く)うえに、札幌市証明郵送センターに届いた後も、混み合っている場合は、速達より後回しで処理されるため、不備がなくても、戸籍請求が札幌市証明郵送センターに届いてから、戸籍が発送されるまで10日程度かかります(札幌市ホームぺージ参照)。
区役所に請求用紙を送っていた時代は、請求用紙が届いたその日や翌日には発送してもらえたため、札幌市の各区に請求していたころは安心して郵送請求ができておりましたが、札幌市証明郵送センターになってからは、事務処理が格段に遅くなりましたので、センター化のメリットがほとんどありません。
札幌市証明郵送センターに郵送で請求をかけても、戸籍がなかなか届かない(遅いときは、3週間近くかかりました)ため、現在、当事務所では札幌市証明郵送センターをほとんど利用しておりません。そのため、一般のお客様にもまったくおすすめはできないため、評価は△としました。
《大通証明サービスコーナーに出向いて戸籍を請求する》評価◎
いわゆる士業者(行政書士や司法書士、弁護士など)は、中央区に事務所があることが多いため、以前からよく利用しているのですが、札幌市には、大通証明サービスコーナーという戸籍や住民票などを発行する機関があります。
大通証明サービスコーナーは、印鑑登録業務などは行っておらず、あくまで証明書の発行に特化した機関のため、回転が速いです。
例えば、20人待ちであっても、窓口の職員さんの対応が早いため、30分以上待つことはほぼありません。通常は、5分程度の待ち時間で済みます。
大通証明サービスコーナーで戸籍請求するメリットは、
- ⅰ. 待ち時間がほぼない
- ⅱ. 職員さんの窓口対応が手際よく対応もよい
- ⅲ. 札幌市全区の戸籍を発行してくれる
ということです。
デメリットはほとんどありませんが、強いていうと提携の駐車場がないことです。
自動車で行く場合には、近隣の駐車場も高額で、不便ですが、地下鉄を利用するととても便利です。地下歩行空間(通称チ・カ・ホ)から大通り方面に抜けると地下鉄のコンコースのすぐ右にあります。
とても便利に利用でき、窓口の職員さんも手際よくかつ親切なので、評価としては◎といえます。
《出張所に出向いて戸籍を請求する》評価◎
意外と一般に知られていないのが、区役所の出張所で戸籍を発行してもらうことができるということです。出張所は、大通証明サービスコーナーと同じような範囲の業務をしてくれております。相続手続きに必要な戸籍の請求も大通証明サービスコーナーと同様にすべてできます。
出張所は、2か所あり、南区の定山渓出張所と北区の篠路出張所です。
この二つの出張所には、次のようなメリットがあります。
- ⅰ. 無料の広い駐車場がある
- ⅱ. 区役所や大通証明サービスコーナーと比べいつも空いている
- ⅲ. 札幌市全区(北区、南区、中央区、西区、東区、豊平区、清田区、手稲区、白石区、厚別区)の戸籍(除籍や、原戸籍を含めて)を発行してくれる
- ⅳ. 職員さんは、対応が丁寧で人間味が溢れている
たまき行政書士事務所は、札幌市北区に事務所がありますので、札幌市の戸籍請求は、札幌市北区の篠路出張所で請求をしております。
まとめ
以上今回は、札幌市の戸籍請求に限定したコラムを書いてみました。
結論としては、一般の方が相続手続きに必要な札幌市の戸籍を請求する際には、郵送請求ではなく、窓口での請求をした方が便利であると思います。
無料訪問相談・無料テレビ電話相談のご予約や、ご質問等はお気軽に
たまき行政書士事務所の無料訪問相談について >>
たまき行政書士事務所の
ごあんないABOUT
相続・遺言専門のたまき行政書士事務所
- 代表 行政書士 田巻裕康
-
[住所]
北海道札幌市北区北32条西5丁目3-28
SAKURA-N32 1F
011-214-0467
070-4308-1398(行政書士直通電話)
電話受付:平日9時~18時 - [交通アクセス]
地下鉄南北線:北34条駅(3番出口)から徒歩1分
相続遺言YouTube教室 随時更新中!
行政書士田巻裕康による相続・遺言に関する解説動画をYouTubeにて公開中。一般のお客様はもちろん、相続実務を行ったことのない行政書士の方もぜひご活用ください。