銀行などの相続手続の際に戸籍の原本が必要か?コピーでも良いのか?
相続・遺言コラム今回は、行政書士のYouTube講義を受講された方からご質問があった点について、わかりやすい例にして解説しようと思います。
お客様からのご質問
ご質問1
被相続人が口座を開設していた銀行が例えば3行あるときに、相続関係のわかる戸籍を、原本で3セットも用意しなければならないのですか?それとも、原本ではなくコピーを提出する形でもよいのですか?
行政書士の回答
銀行が3行あっても戸籍のセットは1セットで大丈夫です。
なぜなら、お客様が原本を持参すると、銀行側で原本をコピーし、その場で戸籍の原本は返却してもらえるからです。
昔は、誰でも簡単に複数枚の戸籍を取得できる時代がありましたが、個人情報保護の観点や戸籍の悪用防止から、銀行が原本を回収したり、長期間お客様から預かるということがなくなりました。
それでは、最初からコピーを持参すれば良いかとも思いますが、コピーをとる過程で偽造が行われる危険性があるため、一律に銀行はコピーの持参では対応してくれません。
法定相続情報一覧図の活用
銀行口座をお持ちの方が亡くなるとき、1つの銀行のみしか契約していないということはむしろ稀です。多くの方が3行程度銀行口座をお持ちです。
上記の回答のように相続関係がわかる戸籍の束のセットは、原本を1セットでよいのですが、銀行側としては、コピーをして、相続人の関係性を読み取るという手間が生じます。
そこで、お客さま側も銀行側も便利になる、法定相続情報証明制度という制度があります。
戸籍を収集して、法定相続情報の関係図を一覧にした法定相続情報一覧図を作成し、管轄の法務局で認証を受ければ、A4用紙1枚の法定相続情報一覧図の写しを無料で複数枚作成してくれます。
詳しくは、参考記事をご覧いただければ利用方法がわかりますのでご参照ください。
ご質問1の回答について、より深くお答えすると、法定相続情報一覧図の写しを複数枚作成し、法定相続情報一覧図の写しを銀行3行にお渡しすることが、一番スムーズな相続手続きとなります。
ご質問2
相続人が3人いて、3人が分け合って銀行預金を相続する場合、銀行は基本的に代表相続人一人に相続させる仕組みとなっていると、講義の中で解説があったのですが、代表相続人がその後分配するときに、残りの相続人に振り込むという形となるのですか?
手間もかかりますので、代表相続人が振り込む形ではなく、銀行の方で一気に3人に振り込んでもらうことはできないのでしょうか?
行政書士の回答
銀行の預金解約手続きをし、解約金を相続人へ支払う時、銀行は、基本的に代表相続人一人を指定するように求めます。銀行としては、代表者に解約金を振り込み後で分けてもらう方が、トラブルや事務処理の間違いが少なくて済むからです。
特に、ゆうちょ銀行は、複数人への振込を認めておりませんので、ゆうちょ銀行の口座があると、複数の銀行口座をお持ちの方の分配はスムーズにいかなくなります。
そこで、たまき行政書士事務所では、紛争性のない相続案件では、遺産分割協議書を作成するうえで、最初に丁寧に財産調査をし、財産の総額を確定し、財産目録を作成して、金額としてどのようにわけるか決定してから、代表相続人の方の口座に振り込む形としております。
他方、紛争性のある案件では、弁護士の方の領域となるため、一旦、銀行から弁護士の口座に振り込んでもらい、弁護士の方が、三人の相続人がいれば三人に振り込む形をとります。
どうしても代表相続人一人に振り込みをするという形をとりたくない場合
数年に1件程度しかありませんが、紛争性はないけれども、相続人同士の信頼関係がなく、代表相続人の口座に全額入れるのは抵抗がある(代表相続人がその後相続金を振り込んでくれないかもしれず不安)という方もいます。
そのようなときは、ゆうちょ銀行以外でしたら、事情を説明した上で銀行から相続人それぞれに振り込むという対応が可能です。
また、ゆうちょ銀行の場合は、1人にしか振り込めないため、相続人全員の同意を得たうえで、便宜上、行政書士の口座に一旦振り込み、その後、相続人全員に分配するということも可能です。
まとめ
相続手続きについては、たまき行政書士事務所でもできる限り情報を開示しておりますが、個別具体的かつ複数の法律が絡みあうものであるため、いくら調べても分からない点がでてくると思います。
特に、札幌市、札幌圏や北海道の方の相続については、北海道全域対応のたまき行政書士事務所にお気軽にご相談ください。
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