証券の相続(端数株式編)
相続・遺言コラム端数株式とは
証券の相続(株式の相続)の実務では、単元未満株のことを端数株式(通称:端株(はかぶ)。以下「端株」と記載します。)といいます。
端株の本来の意味は、1株未満の株のことなのですが、現在、上場会社の株式において1株未満の株式というものは存在しないため、相続で端株といえば、単元未満株のことをいうと考えてよいでしょう。
例えば、“東急”の株式情報を参照すると、東急の単元株数は100株ですので、例えば、320株を持っている方は、20株が端株(単元未満株)となります。
端株の相続2パターン
ⅰ. 証券会社に端株がある場合
野村證券や大和証券、日興証券、北洋証券などの証券会社に端株がある場合は、証券会社の相続手続きをすれば単元株と一緒に相続(移管)ができます。
単元株に比べて相続手続きが難しくなるということは、特にありません。
例えば、野村證券に“ほくほくフィナンシャルグループ”の株式があるということがわかっていた場合、野村證券に残高照会をすれば、野村證券で管理しているほくほくフィナンシャルグループの株式数が判明します。
あとは、その残高照会で判明した株式数を相続手続きの依頼書(株式の相続のことを移管といいますので、「移管手続きの依頼書」)に記入し、必要書類(戸籍一式、印鑑登録証明書、遺産分割協議書)を添付して提出すれば完了します。
ただし、事前に株式を受け取る相続人の方が、被相続人と同じ証券会社に口座を開設しておく必要があります。
ちなみに、相続した株式を売ってすぐに現金化したい場合でも、一旦は相続人の口座に移動してからでないと、売却はできません。
ⅱ. 信託銀行に端株がある場合
端株が証券会社の口座にあれば手続きしやすいのですが、信託銀行の特別口座で保管されている場合もあります。
端株の話で出てくる信託銀行というのは、銘柄ごとに決まっている株主名簿管理人となっている信託銀行のことをいいます。
株主名簿管理人となっている主な信託銀行は、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行の3行です。
先ほどの“東急”の例でいうと、東急の株主名簿管理人は、三井住友信託銀行ですので、念のため、三井住友信託銀行に、所有株式証明書という残高証明書のような証明書を発行してもらい、端株がないか確認する必要があります。
三井住友信託銀行の店頭でも回答してくれることがありますが、店舗が大都市にしかないので、北海道の地方都市に住む方の場合、郵送で行う必要があります。
信託銀行に端株がある場合、三井住友信託銀行だと、銘柄ごとに所有株式証明書が2枚届きます。
例えば、東急の株式の所有株式証明書が2枚届いて、一つ目の所有株式証明書には300株とあり、二つ目の所有株式証明書(特別口座)は50株となっています。
この場合、野村證券などの証券会社に300株、三井住友信託銀行に50株があるということとなります。
このように信託銀行に端株があると、信託銀行に対して端株の相続手続きを依頼することとなります。
端株が信託銀行にある場合の相続手続き
端株が信託銀行にあるとわかった場合、相続人様は当然、端株についても相続する権利があります。
ただし、信託銀行や株数によって相続手続きの方法が異なりますので、信託銀行の方と相談しながら端株の相続手続き(移管作業)を進める必要があります。
移管の主な方法は、株主名簿管理人となっている信託銀行で端株を売却して、売却金を相続する方法と、端株を相続人様名義で開設した証券会社の口座に移管する方法があります。
信託銀行によって運用ルールが若干異なりますので、詳細については、株主名簿管理人となっている信託銀行に聞くとよいでしょう。
株の相続は結構大変です
今回は端株の相続についてのコラムを書きましたが、株式の相続は、端株、未受領配当金の処理など、銀行口座の相続に比べ約3倍の手間と経験が必要となります。
株式の相続がある場合は、最初から専門家に相談するのが良いかもしれません。
たまき行政書士事務所は、株式の相続を多く取り扱っております。
株式の相続でお悩みの際は、たまき行政書士事務所へお気軽にお電話、メール、ラインにてお問い合わせください。
参考記事
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