古い戸籍に見られる収集が難しい戸籍3選
相続・遺言コラムたまき行政書士事務所では、一般の方では収集が難しい戸籍の案件について、多くのご依頼を受けております。
古い戸籍には、今ではあまりないケースが見受けられることがあります。
ⅰ. 同じ方との結婚、離婚を繰り返している
昔の方は、同じ方と短期間に複数回の結婚と離婚を繰り返していることがあります。
このようなケースで相続の際にポイントとなるのは、子供がいつの時点で生まれたかです。女性側は、母であることは明白ですが、男性側は、一部みなし規定を除き、結婚していない期間に生まれた子供の父とはならないので、注意が必要です。
結婚していない期間に子供が生まれた場合、原則として、のちに認知がない限り、たとえ血縁の父と子であっても、将来、相続関係は生じないこととなります。
(認知)
民法
第七百七十九条 嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。
(認知の効力)
第七百八十四条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。
ⅱ. 本当は子供なのに妹として戸籍に入っている
現在、80代後半~90代くらいの方は、本当はAさんの子供なのに、Aさんの年の離れた妹として戸籍に登録されていることがあります。
相続の際には、裁判でもしない限り、戸籍上の相続人で遺産分割協議を行う必要がありますので、本当はAさんと血のつながった子供なのに、戸籍上はAさんの妹となるので、Aさんの相続人になれないということが生じます。
ⅲ. 養父が2人いる
今回、コラムの主なテーマとして取り上げるのは、養父が2人いるケースについてです。
現在よく行われる養子縁組は、2回目の結婚をする女性Xさんが、再婚相手の男性Yさんと結婚する際に、自身の連れ子Cさんと再婚相手Yさん(連れ子Cさんから見ると義理の父)を養子縁組することです。
養子縁組をすることで、YさんとCさんは法律上正式に父と子の関係となります(正確には養父と養子の関係となります)。
法律上父と子なので、養子縁組を解消しない限り、Yさんが死亡した際には当然Cさんは相続人となります。
この結婚がうまくいかなくなりXさんとYさんが離婚することになった場合、Yさんと養子Cさんの養子縁組を解消することが一般的です。
ところが昔は、経済的事情など諸事情により、離婚しているにもかかわらず、女性の連れ子と女性の再婚相手が養子縁組を解消していない場合があります。
養子縁組を解消していない場合、養父と養子の関係は続きます。
さらに、女性が再再婚をして、女性の連れ子が再再婚相手と養子縁組をした場合、2人目の養父が登場することとなります。
養父が2人いても養子に不利益はないので、1人目の養父の関係はそのまま存続します。養父が2人いることは重要情報なので、戸籍にはずっと養父の名前が2人記載されます。
当時の時代背景
現代では、権利意識がしっかりしている方が多く、扶養義務や相続の関係で、離婚と同時に養子縁組も解消することがほとんどです。
しかし、80代~90代の方は、何人もの子の養父となっている状態で死亡するということがあります。
あくまで推測ですが、昔は女性が男性と同じように仕事をするのが難しかったので、経済的に力のある男性が、親族や近所の方、あるいは先ほどの例のように結婚相手の連れ子と養子縁組をして、養父となり小さな子供を養っていたと考えられます。
このようなケースで養子縁組をすると、離婚しても養子縁組を解消しないことがあります。養子縁組をするタイミングは子供の幼少期であることが多いですので、子供は、10歳くらいから養父に一度も会っていないということもよくあります。
そして、のちに養父が亡くなったときに、子供は、もう記憶にはない法律上の父の相続人になっていることを、他の相続人から知らされることになるのです。
またこれとは逆の場合もあり、血のつながった子が父の相続のための戸籍を収集していると、父がかつて養子縁組をして別の子の養父となっていることを知り、予想もしなかった相続人(父の養子)が出てきて大変になるということもあります。
相続人は誰なのか正確に把握してから遺産分割について考えることが必要です
たまき行政書士事務所では、初回の相談時に、相続人について現時点で分かっている限りの情報を聞き取ります。相続人が誰になるかは、相続相談において最も重要な問題といってよいと思います。
相続人が誰かを確定せずに遺産分割の話を進めても、相談者の予想しない相続人が出てきた場合、相続手続きは予定通りに進まないからです。
そのため、たまき行政書士事務所のホームページでは、相続人についての記事を多く載せております。
今後も、相続人についての解説をしていきますので、よろしければご参照ください。
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