財産承継信託という預貯金以外の財産があり、かつ、北海道内の相続だが法定相続人の一人が関東在住で、相続人同士が疎遠になっていた事案
相続の解決事例事案
金融資産のみの相続事案でしたが、被相続人の財産の一部が、信託銀行の後見制度支援信託というものを利用した信託財産である案件でした。
被相続人が、生前にご病気などで成年後見人をつけていた場合で、一定の財産(例えば、1000万円以上)を保有している時、職業後見人や家庭裁判所の指示により、信託銀行などの後見制度支援のための財産承継信託というものに強制加入させられることがあります。
ご依頼者は信託銀行に問い合わせをしたところ、調査時点でも全員の署名押印がいると言われ、信託銀行に預けている財産の残額がわからず、遺産分割協議もできない状況でお困りになり、たまき行政書士事務所にご相談をいただきました。
解決までの手順
ご依頼者と直接面会し、財産承継信託の証書を見せていただきました。見たところ、典型的な後見制度利用による信託銀行を利用した財産信託であることが読み取れ、問題なく、相続人の一人の権限で残高を確認できると判断しました。
相続手続きに必要な戸籍をすべて集め、法定相続情報一覧図を作成しました。
参考記事
相続人の窓口になっていただいたご依頼者の委任状を信託銀行に持参し、残高証明書を発行してもらいました。
他の銀行の残高証明書も取得し、信託財産を含めた財産目録を作成しました。
法定相続分で分割した時の分配表を作成し、関東にお住いの相続人様に、分配表に基づく遺産分割協議書を送付しました。
問題なく、遺産分割協議書が当事務所に返送されましたので、手続きを開始し、信託財産および銀行預金の相続手続きを完了しました。
疎遠になってしまっている相続人がいる場合の解決方法
数十年交流が無くなってしまっている相続人がいても、銀行等の相続手続きでは、簡易相続のケース(例えば、預金額が10万円位の少額相続事案)を除き、その疎遠になってしまっている方の署名押印と印鑑登録証明書が必要となります。
しかし、疎遠になってしまっている相続人がいる場合には、それぞれが直接電話でお話しできない関係であることが多いので、このような場合には、一定の公平な基準で財産を分けて、その提案に乗っていただくという方法で解決します。
一定の公平な基準とは、民法で決まっている、いわゆる法定相続分(法定相続割合)です。
不動産がなく、預貯金だけの財産構成だと、法定相続分できっちりと分けることができるため、この法定相続分の基準で分けて提案すると解決する確率が高くなります。
ご事情を深く伺うと、今回は、法定相続分で分けた遺産分割協議書で署名押印いただける事案でしたので、予定通りに手続きを進めました。
参考記事
疎遠な相続人がいる場合の解決のポイント
何らかの事情で疎遠になってしまっている相続人の方がいる場合に、窓口になっている相続人の方が独自の基準で分け方を提案すると、疎遠となってしまっている相続人の方に、提案を突っぱねられてしまうことがあります。
そのため、相続手続きに詳しい行政書士や司法書士などの専門家に依頼して、調査段階から中立的な立場の方を関与させることで、スムーズに解決できることがあります。
完全に紛争性がある相続案件であると弁護士の方の業務領域となり、弁護士事務所に依頼する必要がありますが、紛争性は発生していないけれども疎遠となっている相続人がいるという場合には、相続に詳しい行政書士か司法書士に相談やご依頼をすると、解決できる確率が高まると言えるでしょう。
無料訪問相談・無料テレビ電話相談のご予約や、ご質問等はお気軽に
たまき行政書士事務所の無料訪問相談について >>
たまき行政書士事務所の
ごあんないABOUT
相続・遺言専門のたまき行政書士事務所
- 代表 行政書士 田巻裕康
-
[住所]
北海道札幌市北区北32条西5丁目3-28
SAKURA-N32 1F
011-214-0467
070-4308-1398(行政書士直通電話)
電話受付:平日9時~18時 - [交通アクセス]
地下鉄南北線:北34条駅(3番出口)から徒歩1分
相続遺言YouTube教室 随時更新中!
行政書士田巻裕康による相続・遺言に関する解説動画をYouTubeにて公開中。一般のお客様はもちろん、相続実務を行ったことのない行政書士の方もぜひご活用ください。