長期間施設に入っていた方の相続について。相続人が１４人であったケース
（相談者：札幌市東区）

相続の解決事例

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事案

札幌市東区に住むご相談者（法定相続人の一人）から、美唄市で死亡した方（被相続人）の相続についてご相談がありました。

今回の被相続人の方は、独身で子どもがおらず、長期間施設にご入居されていたので、公的収入の積み重ねで預金額がある程度大きな額となっておりました。

独身で子どもがいない方の相続においては、ご両親も死亡している場合、被相続人の方の兄弟姉妹および甥や姪が相続人となる、いわゆる兄弟姉妹相続事案となります。

兄弟姉妹相続事案は、戸籍収集が大変難しく、戸籍の数が５０通を超えることもよくありますので、今回は、相続人の方が最初の段階から、専門家にお願いした方が良いと判断されて、インターネットの検索で相続専門の当事務所のホームページを見つけていただき、ご相談をさせていただくこととなりました。

相続人調査

被相続人が死亡した時のご年齢は８０歳未満で、それほどご高齢ではなかったのですが、年上のご兄姉が多く、その年上のご兄姉は全員死亡していましたので、結果的に、法定相続人の数が、甥や姪を中心に１４名と多数となっておりました。

一般的に、今回のような甥姪を含む兄弟姉妹が相続人の構成となる相続事案では、相続人同士が顔見知りというわけではなく、被相続人の方と全く面識がないという方も出てきます。

今回は、北海道の各地や本州に相続人１４人が点々としており、一堂に集まり話し合うというようなことは、事実上不可能である状況でした。

遺産分割のポイント

いわゆる兄弟姉妹相続事案で相続人が１４人となるケースの場合、被相続人と付き合いが頻繁にあった方と、そうではない方が混在することとなります。そのため、遺産分割協議の際はそれぞれの考え方がまるで異なるため注意が必要です。

被相続人と付き合いが頻繁にあった方は、被相続人の事情を良く理解しておりますので、例えば、故人は借金などをする方ではないということなどが分かりますが、被相続人と付き合いがほとんどなかった相続人の方は、相続しても良いのだろうか、借金は無いのだろうか、縁の薄い自分が相続しても良いのだろうかなどと不安になります。

今回は、被相続人に多数の定期貯金があって、貯金が１０００万円近くあったことあったこと、また、施設にいるため、商取引などはしていないことが考えられること、ご年齢がある程度高齢であることからして、総合的に考え、一般的に借入などはないと判断できました。

客観的な事実と、ご依頼者様から伺った被相続人の方の背景を基に、遺産分割証明書（遺産分割協議書の一種）を作成して、ご案内文と一緒に各相続人に送付しました。

遺産分割内容は、行政書士の報酬および、かかった実費、親族がすでに立て替えている経費分を差し引いて、法定相続分（民法に規定されている分割割合）で分けた額をそれぞれが取得するという内容としました。