財産構成が預貯金(金融機関4行)と軽自動車1台であったケース
(相談者:北広島市男性)

相続の解決事例

事案

行政書士による相続の解説。北海道全域対応の無料訪問相談も行っております。

本州に住む被相続人の長男様から、実家の相続についてメールにて相談を受けました。メール内容の確認後、すぐにお電話をかけ、詳しい事情を聴きました。

長男様は、被相続人の死後の事務処理のために、北広島市に何度か来ると伺っておりました。

そこで、北広島市の実家に戻った際に、札幌市北区の事務所で初回無料相談をさせていただきました。

財産構成は、預貯金(金融機関4行)と軽自動車1台でした

解決までの道のり

戸籍調査~財産調査まで

まずは、相続手続きに必要な戸籍を収集し、相続人を確定しました。次に、預貯金の詳細な調査と、軽自動車の状況を調査しました。

預貯金は、特に問題なく調査が完了しましたので、次に、軽自動車の調査をしました。

軽自動車は、被相続人が完済していると相続人の方がおっしゃっておりましたが、車検証(正式名称:自動車検査証)を見ると所有権はカーディーラーさん(車販売店)にあって、使用者が被相続人の名前となっておりました

※ 自動車は、完済したからといって自動的に名義変更(所有権解除)されるわけではなく、所有者からの委任状や解除のための書類を持参し、自ら名義変更手続きをすることによって、車検証が実態と一致した新しいものになります

軽自動車の処理の手順

自動車の相続手順は、返済状況やカーディーラーさんとの契約によって異なりますが、今回は、委任状を持参し、所有者として登録されている札幌市豊平区にあるカーディーラーさんへ現地調査に行きました

委任状、法定相続情報、委任者の印鑑登録証明書を見せることによって、カーディーラーさんは車の支払い状況等を開示してくれます。

被相続人に軽自動車税の滞納がないことを確認できるように、念のため、納税証明書も事前に北広島市から取得し、カーディーラーさんへ持参していきました。滞納があると所有権の移転に応じてくれないケースがあるからです

1週間程度で、カーディーラーさんから当該軽自動車が完済している事実と、所有権解除のための委任状を、たまき行政書士事務所宛てに郵送してもらいました。

その後、行政書士が、札幌市北区新川にある軽自動車検査協会に行き、軽自動車の相続手続きと所有権解除を行い、無事、相続人の方が使用者兼所有者となりました

なお、車検証の名義変更手続きの際には、車検証の原本を持参する必要がありますので、相続人の方から、旧車検証の原本を数週間預からせていただきました

その際、車検証はコピーし、行政書士の署名押印によって、「車検証原本は、名義変更手続きのため、たまき行政書士事務所で預かっている」という記載を残し、軽自動車に車検証のコピーを入れておくようにお伝えしました

名義変更手続きの際に原本を預かるのは、やむを得ない必要不可欠な行為なので、仮に、警察官の職務質問を受けても、車検証のコピーを提示すれば、警察官が違反切符を切ることはありません。

また、今回は、使用者の住所が北広島市であったため、車庫証明書の申請は不要でした。

軽自動車については、名義変更後、警察への事後登録で、車庫証明の届出書(自動車保管場所届出書)を提出する必要がありますが、北海道では、車庫証明の届出書を提出しなくてよい地域もあります。普通自動車と異なり原則車庫証明書の届出が不要です。

※ 詳しい地域は、北海道警察のHP(自動車保管場所証明等手続き)で確認できます。令和5年11月時点の、北海道で車庫証明の申請が必要な地域、“車庫届出義務適用地域”は、軽自動車の使用の本拠の位置が、「札幌市、函館市、旭川市、小樽市、江別市、苫小牧市、室蘭市、帯広市、釧路市、北見市」にある場合(北海道警察HP引用)となっております。

今回の相続は北広島市のため、軽自動車の車庫証明の届出は不要でした。(普通自動車車庫証明書は、取得が必要な地域の場合、名義変更前に取得する必要があります。)

感想

業務としての自動車の名義変更は、原則として行政書士のみが行える行為(官公庁へ提出する書類作成)のため、自動車(普通乗用車、軽自動車)が相続財産に含まれる場合には、特に行政書士に相談するのが適切だと思われます

行政書士は、預貯金の相続手続きも業務として行うことができるので、今回の相続事案では、すべてをたまき行政書士事務所に任せていただき、初回ご相談から相続手続き完了(金融機関4件+軽自動車の手続き)まで、期間としてはちょうど3カ月で完了しました

遠方からご依頼の相続人の方には、スムーズな手続きの完了に喜んでいただけたため、たまき行政書士事務所としてもお役に立てて何よりでした。

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