登記義務化と聞いたのですが、死亡した主人名義のまま固定資産税を払い自宅に住んでいます。何か問題がありますか?

相続のよくあるご質問

固定資産税の支払い義務の履行については、問題ありません。しかし、国の方針変更で登記義務化となることが決まっているため相続登記が未了ということが問題です

登記義務化とは、不動産登記の記載内容に変更が生じた場合に、例えば、相続を原因とする所有権移転の登記であれば、基本的に相続発生から3年以内に行わなければいけないというものです。

今回の件では、施行日である2024年(令和6年)4月1日からは登記義務化の対象となりますので、2027年(令和9年)4月1日(初日不算入の原則民法140条)までに相続登記を完了すればよいことになります。

相続登記を2027年(令和9年)4月2日以降もしない場合、罰則の対象となります

それでは、相続登記の義務化について相続の専門家が解説します。

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2024年4月1日から相続登記義務化が施行されます

令和3年4月21日に民法、不動産登記法の一部を改正する法律が成立し、同年同月28日に公布がされ、検討期間が経過し、2024年(令和6年)4月1日から相続登記の義務化がなされることとなりました

どのような場合が罰則の対象の相続事案となるのかというと、2024年4月1日以降の相続発生の場合はもちろんのこと、これより前に相続が開始したものも含まれます

例えば、今(令和4年9月の相続登記義務化の施行日前)から5年前に夫が死亡し、妻が相続登記をすることなく固定資産税を払い続け住んでいるというケースでも2024年4月1日以降は、相続登記義務化の対象となります

ただし、起算点としては、2024年(令和6年)4月1日(正確には、初日不算入の原則により4月2日)から3年以内となるため、今回の事例では、2027年(令和9年)4月1日までに行えばよい(罰則はない)ということになります。

相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日からの解釈

(改正)不動産登記法 第76条の二第1項前段には、相続登記義務化の要件として、「自己のために相続の開始があったことを知り」かつ「当該所有権を取得したことを知った日から」という2要件を規定しています

しかし、ほとんどのケースでは、相続発生=死亡を知った時が起算点(正確には、初日不算入の原則(民法140条)により死亡日の翌日)になると思われます。

なぜなら、相続が発生した時点で、法定相続人は決定し、相続登記完了までは、不動産は共有の状態となるからです。共有とは、共同所有という意味なので、相続発生直後から、当該所有権を取得したことを知ったということとなります。

相続人が多数であり、手続きが難しい相続であるからとか、登記義務化の制度を知らなかったなどということは、“当該所有権を取得したことを知った”という要件を否定するものとは原則としてならないため、注意が必要です

(相続等による所有権の移転の登記の申請)
第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。

(改正)不動産登記法(下線と太字はたまき行政書士事務所で加筆)

罰則は10万円以下の過料

相続登記義務があるにもかかわらず、違反した時の罰則は、10万円以下の過料となっております。刑罰ではなく行政罰なので、前科者になるわけではないのですが、金銭の支払い義務が生じます。

根拠条文としては、(改正)不動産登記法64条となります。

罰則が科されるタイミングとしては、推測になりますが、商業登記のように次の相続登記がされたタイミングで相続登記が遅れているということが判明するため、遅れて相続登記をした後に事案に応じて金額が決まり請求されると思います。

これを反対側から考えると、相続登記をしない限り罰則が科される機会がないともいえそうですが、この点は、国の方で何らかの対策を講じるのかもしれません。

いずれにしても、所有者不明土地・家屋をなくすという国全体の方針のためにも、相続人の方自身のためにも相続登記(その前提として遺産分割協議)は、相続発生直後から行うことを計画した方が良いと思います

一般論としては、スタートが遅れれば遅れるほど、ずっと登記未了のままとなる確率が高くなります

(過料)
第百六十四条 (中略)、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。

(改正)不動産登記法(下線と太字はたまき行政書士事務所で加筆)

いわゆる数次相続発生により複雑な事案も対象

国の方で、相続登記の罰則が免れるケースについて、具体例を示し明確にする予定があるようですが、いま現在(令和4年9月時点)のところ明示はされていません。

施行日以降の裁判例などが出ないとはっきりとしたことはわかりませんが、相続登記の罰則が免れる事例は、とても限定されると予想されます(正確には、「正当な理由」(改正不動産登記法164条)は限定される)。

基本的には、不動産の所有者の相続が発生して、自分が法定相続人若しくは、数次相続人である場合、登記義務化の罰則の対象者となると考えた方がよいでしょう

いわゆる“数次相続事案”や“兄弟姉妹相続事案”のような相続人自身では、戸籍収集が難しい事例でも例外とはならないでしょう。

戸籍収集が難しい、やり始めたけど限界だと感じた場合には、行政書士や司法書士や弁護士などの相続の専門家に頼るのも一つの方法です

ちなみに、数次相続事案とは、被相続人の死亡後に、法定相続人の1人又はそれ以上の法定相続人が遺産分割協議前に死亡してしまい、相続人が結果的に増える事になる相続事案のことを言います。

兄弟姉妹相続事案とは、被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹の1人又はそれ以上の兄弟姉妹が先に死亡していた場合には、甥や姪)が相続人となる相続事案のことを言います。

相続全般についてお気軽にご相談ください

今回は、相続登記の義務化を中心に解説しましたが、実際の相続のお困りごとは、もっと複雑でインターネット上でいくら調べてもよくわからない点が出てくるというのが現実であると思います。

たまき行政書士事務所では、兄弟姉妹相続事案や数次相続事案、相続人が15人以上の事案など相続の経験の浅い事務所では困難な事案を多数解決しております

初回のご相談で解決の方向性が見えるということもよくありますので、特に、札幌周辺及び北海道の相続について、一度ご相談ください

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