任意後見契約とはどのような契約のことをいうのですか?

相続のよくあるご質問

任意後見契約は、かみ砕いて説明すると、将来、認知症などにより判断能力が衰えた場合に備え、自らの指定した後見人(身の回りの契約事をしてくれる人)と予め契約を結んでおくものです

これにより不動産の管理や預貯金の管理、身の回りの日常的な契約事を任意後見人に代わってもらうことができるようになります。

それでは、任意後見契約について相続の専門家が解説します。

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法定後見制度と任意後見制度の違い

後見制度には、大きく分けて

の2つの制度があります。

法定後見制度が、後見人の最終決定権が家庭裁判所であるのに対し、任意後見制度の場合、後見人(任意後見人)となる方と、将来、被後見人となる方との契約で決まり、当事者同士が決めることができるという点で異なります。

また、任意後見契約は、単に紙の契約書によって契約を結べば良いわけではなく、公証役場にて契約を行い、東京法務局に任意後見の登記を行うことで正式に任意後見契約が成立します

単に、後見人という用語が出てきた場合には、ほとんどが法定後見人のことを指します。法定後見制度の中には、後見する方について、後見人、保佐人、補助人という区別もありますが、実務では、多くの割合で、後見人(正式な名称では、成年後見人)です。

他方、任意後見人の場合、任意後見人と省略せず表現することが多いです

今回は、難しい用語をなるべく使うことなく、目の前のお客様に説明するような形で、両者の特徴について解説したいと思います。

法定後見制度について

法定後見制度は、何十年も前から存在した制度です。法定後見制度における法定後見人を噛み砕いて説明すると、認知症が進んだ方や精神障害がある方、体が不自由で意思疎通が難しい方など、判断能力が常にないために契約を結ぶことができない方の代わりに、契約を結んでいただける方のことをいいます

法定後見人は、財産管理や介護契約の更新など重要な役割を果たすことになるので、法定後見人は、家庭裁判所を通して適正な手続きを経てから選任されます。

後見を受ける方は、法定後見人を指定することが基本的にできません。法定後見人の選任は、申立人が申立ての際に、法定後見人候補となる方を記載できますが、最終決定は、家庭裁判所が行います

法定後見人がつくタイミングは、後見を受ける方が後見を受ける必要性が出てからとなります。

北海道内では少ないと信じたいのですが、残念ながら一部の法定後見人が後見人の地位を利用して横領などをしてしまうことが全国的にあったため、近しい親族は希望を出しても法定後見人となることができない場合があります。だれが後見人にふさわしいかの最終決定権はあくまで家庭裁判所にあります。

近しい親族が法定後見人になれたとしても、基本的に後見監督人という方がつきます。後見監督人は主に弁護士や司法書士の方がなります。

特に、親族が法定後見人となると、家庭裁判所から財産管理について諸条件を要求されることがあり、資産家の方が被後見人となると、財産を信託銀行の金銭信託口座に移すことを求められます

そのため、後見人側からすると、被後見人の方のために必要な金銭だとしても、金銭口座が一部、凍結されているような状態になり、非常に使い勝手が悪いものとなり、法定後見制度は利用したくないという方もいると聞きます。

任意後見制度について

任意後見制度とは、2000年4月1日に施行された制度です。法定後見制度と異なる点で一番大きな点は、被後見人となる方が、将来自分の後見人となる方を予め指定できるという点です

先ほど、法定後見制度のところで説明したように、基本的に、法定後見制度では、被後見人(後見を受ける方)は法定後見人を予め指定することができません

しかし、例えば、将来、判断能力が無くなったときに、同居の長男様や近くに住む長女様など、本当の信頼関係が長期間ある方に後見人をやってもらいたいと思うことは、当然の心情といえます。

そこで、

  • ① 公証役場を通した適正な手続きを経た場合に限定して、判断能力がしっかりしているうちに、信頼関係のある親族などと予め契約を結ぶ
  • ② 将来、判断能力を常に欠くような状態になったときは、家庭裁判所に任意後見監督人の選任申立てをする

といった手続きが必要ではありますが、信頼関係のある契約当事者の親族が速やかに任意後見人となることができるようになりました

これが、任意後見契約といわれるものです。

実務における任意後見契約の利用

行政書士に委任契約及び任意後見契約(移行型)を依頼した場合の時系列図相続の実務においては、主に、将来認知症になった場合の財産管理をスムーズに行いたいとのご要望から、最適な方法をお客様と相談しながら選択します。

将来、認知症になるといっても、急に認知症になるわけではなく、最初に足が悪くなり、物忘れが増えてきて、軽度の認知症となり、中度の認知症となり、最終的には強度の認知症となるなど、様々な移行段階があります

また、北海道では、雪の時期の転倒や骨折により急激に認知症が進むということもあり、後見が必要な状態になる移行段階は、千差万別といえます。

そのため、比較的元気なうちから身の回りの財産管理の契約事を委任する契約(委任契約)をし、将来、認知症が進んだときのために、予め任意後見人を指定しておく契約(任意後見契約)をするということが行われます。

これを、移行型の任意後見契約といいます。

正確には、委任契約及び任意後見契約(移行型)といいます。

委任契約及び任意後見契約(移行型)を結ぶタイミング

委任契約及び任意後見契約(移行型)のみを公証役場で結ぶこともできますが、公正証書遺言の作成と同時に委任契約及び任意後見契約(移行型)を結ぶことが多いです

たまき行政書士事務所のお客様は、委任契約及び任意後見契約(移行型)というものがあることを、遺言の相談の際に初めて知ることがほとんどです

公正証書遺言の作成をするときには、公証役場に行きますので、その際に、委任契約及び任意後見契約(移行型)を結ぶのがよいでしょう

任意後見人はだれがなるのか

任意後見人(委任契約及び任意後見契約(移行型)の場合、委任契約の受任者と将来任意後見人となる方)は、一番信頼できる親族で、かつ、自分より若い方が良いでしょう

同居している親族や、近くに住む親族がなることが多いです。

自分より若い方が良い理由は、任意後見人となった方は長い期間、任意後見人としての任務を全うする必要があるからです。少なくとも10歳程度は若い方を任意後見人とするのがよいでしょう。任意後見人の方が先に死亡すると、任意後見契約はその時点で終了となります

予備的に、並列的に任意後見人をつけておくことも制度上はできますが、費用も2倍になりますので、並列的に任意後見契約を結ぶということは、あまりありません。

どうすれば任意後見契約をすることができるか

任意後見契約を結ぶためには、

  • ① お客様が公証役場に直接行き、公証人のアポを取り、複数の打ち合わせをして行う
  • ② ⅰ. 相続や遺言に詳しい行政書士や司法書士、あるいは、弁護士に任意後見契約書の原案を作成してもらい、ⅱ. 公証人との打ち合わせは、行政書士や弁護士が行い、あとは、ⅲ. 任意後見契約締結の当日に、契約当事者が公証役場に行く

という2つの方法があります。

用意するものや、任意後見制度の説明を時間をかけてゆっくり聞きたい場合や、必要な書類を自分で用意することが難しい場合には、行政書士などの専門家を利用した②の方法をとると良いでしょう

お気軽にご相談ください

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相続には、遺言や任意後見契約が特に必要なケースや、それほど作成の必要がないケースなど、いろいろとあります。

財産管理は家族に任せているから、そのような契約の必要はないという方もいると思います。しかし、いざ正式な契約をその方の家族が代わりにしようとすると法律上の権限がないため、代わりに契約することはできませんと断られることが多々あります

まずは自分自身、あるいはご自分の親族に、遺言や任意後見契約が必要かどうかをご相談したいという場合も、その後、必ずしも行政書士事務所と契約をする必要はありませんので、お気軽にご相談ください。

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