直筆の遺言書が見つかったのですが、どうすればよいですか?
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お亡くなりになった方の住所を管轄する家庭裁判所へ検認に出す必要があります。
形式上は有効と認められることが多いですが、相続手続きの際、利用できない場合もありますので注意が必要です。
家庭裁判所での検認とは
お亡くなりになった方が生前に直筆で書いた遺言書は、“自筆証書遺言”といいます。自筆証書遺言と公正証書遺言には優劣はないのですが、自筆証書遺言はそのままでは相続手続きに利用できないという点で、公正証書遺言に比べ、かみ砕いて表現すると手続きにおいては不完全な遺言といえます。
そこで、不完全な遺言を、完全に利用できる遺言にする行為が、家庭裁判所での検認作業です。
検認が完了すると、自筆証書遺言にホチキス留めをして割印をした、裁判所書記官名が記された証明書が添付されます。
家庭裁判所に検認の申立てをする方法は、家庭裁判所のホームページに詳しく書いてありますので、申請書類の記載自体はそれほど苦労することはありません。
ただ、家庭裁判所は、相続人が異議申し立てをできるように、自筆証書遺言の検認をする前提として、相続人を確定し、相続人全員に検認の日(家庭裁判所から、検認期日の指定があります)を知らせる制度を設けております。
そのため、相続人を特定するために、被相続人の戸籍と相続人全員がわかる戸籍を提出する必要があります。
この戸籍収集の作業がなかなか大変です。お亡くなりになった方の出生から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍を収集する必要があり、場合よっては15通以上になることもあります。
相続人様ご自身でも、戸籍をすべて取得することは可能ですが、行政書士は職権で、相続に必要な戸籍をすばやく集めることができますのでご相談ください。
不完全な自筆証書遺言の場合手続きで利用できないことがあります
自筆証書遺言が有効になるためには
自筆証書遺言が遺言の形式として有効になる要件は、それほど難しいことではありません。
- ① すべて遺言者の直筆で書いてあること
- ② 遺言書を書いた日の日付と、遺言者の氏名が書いてあること
- ③ 押印をしていること
の三点です。
(自筆証書遺言)
民法
第九百六十八条1項 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
また、実務上では、④内容が特定できていることが必要です。
内容が特定できない場合(複数の解釈ができる場合)、金融機関や法務局で相続手続きを受け付けてくれないことがあります。
ほとんどの、遺言書が「私の財産をすべて妻〇〇に相続させる。」というものが多いですので、すべて〇〇に相続させるという記載は、他に解釈の余地が無く特定されているといえますので良い遺言といえます。
遺言執行者の指定(記載)がない遺言
相続の相談の際に封をしていない自筆証書遺言を拝見させていただくと、遺言執行者の指定(記載)がない自筆証書遺言が意外と多くあります。
事案にもよりますが、遺言執行者の指定がない自筆証書遺言は、検認すると不動産の手続きでは使えますが、検認しても銀行など金融機関ではそのままではほぼ使えません。
金融機関では、遺言執行者の指定がない場合、遺言執行者を指定するために、相続人全員の実印を押した遺言執行者の指定書を提出してくださいといわれます。
そうすると、自分の死後、相続人様同士が手続きに苦労しないようにと、せっかく遺言を作成したのに、手続きで苦労させてしまう結果となり、遺言を作成した意味がなくなるといえます。
具体的には、相続人の中に判を押してくれない可能性がある方がいるから遺言を作成したにもかかわらず、遺言執行者の指定のために、相続人全員に判を押していただく必要が出てきます。
そのため、自筆証書遺言を作成する際には、前述した①②③④の他に、5番目の要件として、⑤遺言執行者の指定があることが必要です。
具体的には、「遺言執行者は、妻○○と指定する。」という記載があれば良いです。
公正証書遺言の方が、手続において安定性があります
自筆証書遺言と公正証書遺言に優劣はないというのが原則ではありますが、手続きにおいて安定しているのは、公正証書遺言です。
そのため、相続や遺言の専門家であれば、公正証書遺言をお勧めするのが一般的です。
公正証書遺言のメリットは、
- ① 家庭裁判所の検認が不要であること
- ② 公証人1人と証人2人の面前で作成した体裁をとるので、その遺言が不正に作成されたものではないことが確定できること
- ③ 金融機関においては、公正証書遺言の方が払戻し手続きをスムーズにしてくれること(金融機関が紛争に巻き込まれる心配がないので)
という点です。
公正証書遺言のデメリットは、
- ① 作成するのに時間がかかることがある
- ② 遺言を作成するのに費用が掛かる
という点です。
しかし、①については、遺言作成の経験が多くある行政書士、司法書士、弁護士に公正証書遺言の原案作成を依頼して、公証役場での作成の取次までを依頼すると、早ければ、依頼から10日ほどで完了します。
②については、財産額にもよりますが、公証役場への手数料が5万円ほど、行政書士などの専門家に原案を作成してもらうための報酬が、事務所にもよりますが、8万円から15万円ほどかかりますので、約15万円~25万円の費用がかかります。
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たまき行政書士事務所は、相続遺言のみを業務として行っており、札幌圏はもとより北海道在住の方の遺言作成について多くのサポートをしてきております。
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